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2021年最新版!M&A市況と勝つM&A5つのポイント

M&A市場が活況です。「過去最高件数」「コロナ禍でM&A市場が活況」という報道を目にする機会が増えています。その実態とM&Aの活用方法に関してお伝えしたいと思います。


コロナを経ても増加するM&A

ここ数年、後継者不在の企業を中心に、M&Aの成約件数は増加傾向にありました。
しかし、コロナでM&Aの需要が一時的に減退、さらに制度融資の実行により資金繰り難で売却を急いでいた会社の寿命が延びたため、より減退傾向となりました。2020年9月以降は増加に転じているものの、後述する、以前とは異なる意味合いのM&Aが活発化しています。
コロナで経営状況が悪化した企業が増え、また買収する力のある会社が減ったこともあり、事業承継や廃業を視野に入れていた企業が、駆け込みで買い手企業を探すようになったのです。
例えば、働き盛りの中小企業経営者が自社株を売却して雇われ社長になることを希望するケースや、個人保証が解除されればそれでいいと、実質0円で譲渡するケースなども増えています。
長引くコロナ禍で経営状態が悪化している企業は増えているため、これからしばらくはこうした救済色の強いM&Aが増えていくでしょう。つまり、強い財務基盤を持つ力のある買い手にとっては今がチャンスなのです。


M&Aが増えている要因の1つは、事業者が激増していること

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M&A市場が活況になっている大きな要素として、M&A事業者が激増していることが挙げられます。
これまではM&A専業事業会社やコンサルティング会社のM&A部門、金融機関のM&A部門、会計・税理士事務所のM&A部門が事業を担う中心でしたが、マッチングサイトの運営事業者が激増(まさに激増という状態)にしています。
そこへの参入は様々な業種があり、数人のM&A事業会社やM&Aの経験のないシステム会社など様々です。
また自社が戦略的にM&Aを進めるという方針のもと、良質な案件を集める方法の1つとして、自らがM&Aのアドバイザリー部門を設立する大手企業も増えています。
個人コンサルタントや個人の不動産事業者も、M&Aをするようにもなってきています。
このようにM&Aの事業者が増える理由としては
・優良な売り案件さえ発掘できれば買い手は見つけやすく、それ以外の業務は他社に任せることができる
・特別な国家資格や民間資格が不要
・確率は低いがフィーが高く取れるので、年間1人で1件成約させれれば十分に採算が合う

というものがあるかと思われます。
昨年、河野太郎行政改革担当大臣が、M&Aが増えていることに対して事業者への規制が必要であるとして「専業ではなく、複数の事業者に相見積もりを取るべき」「双方での仲介は廃し、売り手・買い手で分かれるべき」と発言したこともありました。自由市場であったM&A事業者への規制に、政府が関与しようという動きも出てきています。


なんでもアリのM&A市場

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M&Aで「売り案件」として出てくるものには様々なものがあります。
M&Aは一般的には「その会社のオーナー(株主)が自らが所有する会社の株式(所有権)を第三者に売却する」というものです。
これが大半を占めるケースなのですが、それ以外のパターンも多くあり、それが昨今では通常のM&A案件以上に増えています。
・その会社の「事業のみ(営業権など)」を売却する
・その会社の一部の株式(30%分など)を売却する
・オーナー自らが保有する「特許」を売却する
・店舗の賃貸借権(希少な物件であれば)を売却する

中には、
・自身の持っている無形のノウハウ・ビジネスプラン(特許になっていない)を売りたい
・自身が考案したキャラクターの版権を売りたい
・自身が持つ人脈を売りたい(すごい人がいてその人を紹介するので紹介料が欲しい)

等々、まさに玉石混合です。
買い手から見て「良質」と思われる案件は1%にも満たないと思われます。
実際に数多くのM&Aをしている会社の経営者にお聞きすると「持ち込まれる案件のうち、検討のテーブルに乗るのは100件中3件くらい、その3件の中で1社、買うかどうか」と言っています。それだけ実際のマッチング確率は低いものです。


「良質な売り案件」を発掘するためには

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M&Aの買い手になりたいと思っている企業は多く、その中で三極化しています。
①売り案件の情報が来ない
②売り案件の情報は来るけれど箸にも棒にもかからない案件ばかり
③売り案件の情報がたくさん来て、どれを選べばいいか迷うくらい

といった形です。
以前は①の会社が多かったのですが、最近はM&Aの情報がサイト等から簡単に取れるようになったので、②の会社が圧倒的に増えました。しかしながら、③までになっている会社はごくごく少数です。
よく「情報格差」と言われますが、以前は「情報の量の格差」であったものが、今は情報をネットなどからいくらでも集められるので、生まれているのは「情報の質の格差」になっています。
質の良くない情報を量だけ集めるとかえって混乱し、判断を誤ったりもします。
そうならば、情報をあえて取らないほうが良いということで、ネットからの情報を遮断するような人も増えているようです。
誤解を恐れず言えば、優良な売り物件はネットに出たりせず、直接買ってもらえそうなところに持ち込まれます
「M&A巧者」と言われる会社及び経営者には、いくつかの特徴があります。
1.M&Aをする目的が明確
2.買った会社の即時収益アップのスキームを持っている(スケールメリットで仕入コストを下げられる等)
3.売り手側の情報開示を求めるだけでなく、自社の情報も売り手側にオープンに開示する姿勢がある
4.当初の条件から「後出しジャンケン」で追加条件などを出さない
5.案件を進める上でのレスポンスが早い

などがあります。
船井総合研究所のM&A部門では日々、「良質な売り案件の発掘」「良質な買い手企業の発掘」を進めております。
◇どんなところが自社に興味を持ってくれるのか、自社の企業価値がどれくらになるのかを知りたい
◇戦略的にM&Aを推進していきたいがどのようにすればよいのか
というご相談がありましたらいつでもお声かけください。
M&A.com

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