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2021/10/16 科学と芸術の丘

2021年10月16日、科学と芸術の丘というイベントに行った。場所は千葉の松戸にある戸定邸。戸定邸は古き良き建築と庭園を持ち、高台の上で雰囲気が良かった。10月だったが夏のような緑色に包まれた。四阿で眠る人や、雨が降った後でじっとりとしていたところもまた良かった。建築は立派な木造だった。ガラスは簡単に割れてしまいそうな質感が見て取れた。人が一人通れる程度ですれ違うことはできそうもない細い通路の先には離れがあった。増築されたようで、住んだら楽しいだろうなと思った。風呂や洗面所もしっかりとついていた。風呂は天井に木で模様が装飾されており、それがひとつ自慢のようだったが、それは素人から見ると特筆するほどのものには見えなかった。もしかしたら、この時代にこの様式の装飾はめずらしい。とか、この地域ではここでしかみられない装飾である。とかだったのかもしれない。

イベントに関して。イベントの趣旨は、最先端の科学や芸術に未来のヒントを得る。人々のつながり、イベント、物が触媒〈カタリスト〉となって、利己的な活動が利他的に関わり合う、自然のような生態系を起こしたい。といったものだった。趣旨については良いと思った。正しい解釈ができているかは不明だが。しかし、未来のヒントとは何かしら、と思った。最先端の科学や芸術は未来のヒントにはなるのだろうかと思った。「利己的な活動が利他的に関わり合う」というのはとても良いと思った。駅から会場に向かうまでも、街中でイベントの幕を見たし、地域の店でもイベントを行っているところが多数あった。そのような雑多な盛り上がりが心地よかった。

いくつかの展示を見た。ひとつめはGoogle Maps Hacksというもの。99台のスマホを台車でひいて、グーグルマップ上に仮想の渋滞を作り出すことができるそうだ。おかげで車は別のルートに誘導され、台車の通った道は空いているという話。いまいちそれが何になるのかわからなかった。人混みが渋滞表示はされないと思うけれど、この場合は渋滞が表示されることも不思議だった。いずれにしても、それが何になるのかは私にはわからなかった。
次に「彫刻の作り方」という展示。ビーバーという動物がかじった木を彫刻作品と認め、人がそれを模していた。ビーバーが木の硬い部分を避けてかじった結果、その形になった。つまりその形は木自身がビーバーにかじらせたとも捉えられるという説明だった。確かに、一見ビーバーがかじったように思えるが、木がかじらせたという見方も十分にできると思う。そのような視点は日々持っていたいと思う。私は今、美味しいお茶に飲ませられているし、夜に寝かしつけられてしまう寸前だ。

こんなことを考えていたら、利己的な活動が利他的に関わり合うとはなんだろうかと頭がごちゃごちゃになった。もう少し考えれば腑に落とせそうだが、明日は仕事で朝早くに長野の佐久まで行かなければならない。そろそろやめようと思う。久々の松戸の街はよかった。つけ麺はうまくて、帰りには知り合いの知り合いがイベントのカタリストとなって、駅前の古いコーヒー屋で絵画を展示していたのでそこで休憩した。絵はいつ見ても良い。外はもう少し涼しいと良かったけれど、どちらにせよ良い休日だった。

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