DJの音出しって何したらええねん

問題提議をしたいわけではなく、単純にTipsとして「みんながより良いパーティを作り上げるために共有できてたら良いよね」みたいなことを書きたくなったので。

1. はじめに

パーティの話で「音出し中に繋ぎの練習をするな!」みたいなツイートが年1くらいで流れてきて、そのたびに「じゃああなたは何してるんですか?」みたいな疑問がいつも付き纏ってた。
大概そういうツイートはダメ出しだけして、具体的な改善案を出してない気がする。それとも目を引くにはその方が良くて、狙い通りなのかな。

とにかく、自分はそこそこ経験も積んできてるし、周りではコロナの間に配信からDJを始めて現場に出始めるパターンも増えてきてるので一つの知識共有になれば。


2. そもそもなぜ音出しをする?

いきなりそもそも論なんですが、音出しって何でやるのかについても。
主な理由としては2つで、
・きちんと曲が再生できる、ミックスできるかを確認する
・曲の鳴り方を確かめる
なのかなと。

1つ目のところはPCDJの人が中心かなと。機材の組み合わせも多いし、PC側の僅かな変化でもうまくいかなくなる場合があるから確認をぜひ。

自分の失敗例では、PC(Traktor使用)とDJM-900nxs2をUSBケーブルで接続してPC上から音をミキサーに直接入力してたんですが、ミキサーのツマミをいじるたびにPCがMIDI信号を受け取ってしまい、Traktor内部のミキサーが動いてしまうといった挙動になったことがありました。
音出しではただ鳴るかどうかの確認しかしておらず、試しに曲を繋いでみてたら回避できてたと思ってます。
そういう意味では曲を繋いでみるのも悪いことだけではないですね。

箱のCDJを使う人はホットキューやループ周りの仕様を確かめておくのも良いかも。
アニソンのラスサビ飛ばしをホットキューでやろうと思った場合、CDJ2000以前では事前のホットキューロードが必要とかそこらへん。

2つ目は自分が重視しているところ。
音量デカすぎたり、ハイがきつかったりするとお客さんが引いていってしまいますし。
箱に0dBまでと言われても過剰と思えば-1dB付近までで抑えておく勇気も必要。

PAさんがいたら調整をお任せしても良いと思います。
勝手にやってくれるやろと何もしないのではなく、きちんとPAさんに音出しの前とかに挨拶に行ってこんなジャンルを何時からかけますと伝えた方が絶対に良いです。
PAさんは箱に常駐じゃなく持ち回りの場合が多いので、経験ある箱でも毎回挨拶行く方が吉。

あとブース内にモニタースピーカーがある箱の場合、フロアでの聞こえ方とブースでの聞こえ方の差を見ておいても良いです。
自分はミックス中もヘッドホンつけっぱなし派なのであまり重視しないけど…

PAさん関連の成功例としては、昔MIXBOMBというアニソン原曲中心の大規模パーティで出演させていただくときにRemix中心のセットで挑むことがありました。
担当のPAさんには音出し時に「前後の人からジャンルも変わるし、低音も結構でるんですが可能なら下まで出し切って欲しいです」と伝えたところ、レギュラーやスタッフやってくれてた人たちから「歴代の回の中でもトップクラスに低音の鳴りが良かった」と言ってもらえました。絶対PAさんが色々やってくれてたんじゃないかなと。

3. なんの曲で音出しする?

最優先はその日に使う曲。
中でも特に綺麗に鳴らしたいな、お客さんに届けたいなと言う曲はかけておくべき。

その次に優先するものとして、よく聴いている曲で特徴ある曲なんかは自分のリファレンスとして持っておくと良いです。
私が使っているリファレンスの曲などを例にあげてみます。

■リカバーデコレーション - Hymn to the Queen Remix / 花澤香菜

ベースがいろんな音程に動くのでどのくらい低い音まで出るのか確かめられるので良く使います。

■産声とクラブ / 箱崎星梨花(CV.麻倉もも)、三浦あずさ(CV.たかはし智秋)、ロコ(CV.中村温姫)、高坂海美(CV.上田麗奈)

Garageとかそういった抜け感ある音楽やる時のチェックに。パンが激しく振られた音だったり、サビで一気にサイドの音圧が上がるところで音場感とかも確かめられます。

■BAMBOO BEAT / 川添珠姫(広橋涼)、千葉紀梨乃(豊口めぐみ)、桑原鞘子(小島幸子)、宮崎都(桑島法子)、東聡莉(佐藤利奈)

アニソン系でドラム隊が細かいことから最近よく使ってます。
ボーカルとそこら辺がきっちり両立して聞こえるかがポイント。

■Re-sublimity / KOTOKO

関西アニクラシーンで1番リファレンスとされている曲。
CAOFF WESTさんやMIXBOMBさんがこれで合わせているのを受け継いでいるんだと思います。
イントロのローリングベース、フィルインのドラム、音域の広いシンセと広い音域のボーカルを両立させるのは実際難しい。

ざっくりはこんな感じ?
システム活かすアニソン系ならkzさんの曲やPhoton MaidenのPhoton Melodiesあたり、逆にコテコテのアニソンだと和氣あず未さんのHurry Loveとかもいいのかなと思います。
GAMMERのハードコアとかも音圧詰まってていい感じ。
とにかく普段から聞いてて違和感に気づきやすい曲をリファレンスにしましょう。

(4/21 23:30追記)
上の曲を聞くときは1番音がいいフロアの真ん中はもちろん、低音が強調される壁際や隅っこ、バーカン前、椅子に座ってなどいろんなパターンで聞くのも良いです。
特にスピーカーに対して横向きに座る場合は片耳に音が集中するので前向きで聞くよりキツく感じます。

4. おわりに

ここに書いた内容はあくまで一例なので、目的意識を持って音出ししてたらなんでも良いと思います。
はじめにで書いた「音出し中に繋ぎの練習をするな!」ということも、繋ぎの練習をしておく事で精神的に落ち着いて出来るなどのメリットが人によってはあると思うので、そこを考えてやってれば私は良いと思います。

それと、ここに書いた事全部やろうと思うと時間もかかっちゃうので、音出しには早く来ましょう!
間違っても遅刻はしないようにしましょう!これ1番大事。

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