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ジングルを作る時のキモ。

「初音ミク」ユーザーの皆さんからステーションジングルを募集中ということで、先日iOSユーザー向けではありますが、こんなエントリーを書きました。

今回は、すでにPCやMacでガンガン曲作りをされている方にも役立つハナシを書こうかと思います。

つまりは「ラジオジングルをうまく魅せる作り方」です。
その手のジングルやラジオCMの楽曲を作ったり選定した経験もあるので、参考に目を通していただけると幸いです。

そもそもジングルとは

みんな大好きWikipediaに「ジングル(ラジオ)」という項目があり、概要として下記の記載がありますので紹介しておきます。

ジングル(英: jingle)とは、ラジオ番組などでコマーシャルの開始や終了、楽曲・コーナーの切り替わりなど、番組の節目に挿入される短い音楽などの総称。サウンドデザイナーや作曲家により製作され、それらはテレビ番組におけるアイキャッチに相当するものでもある。

ラジオを聴かれた経験があれば「あー、アレかい」と納得いただけるんですけど、ないという方もいらっしゃるかもしれないんで、例としてこちらをご覧ください。

番組『RADIO MIKU』用に作った10秒素材を3本掲載しています。

例①は実際に番組初回に使ったもので、8ビット風のインストの後に番組名を入れてます。第2回以降は時間短縮の意味もあってアカペラにしてますが。

例②は10秒まるまる使い切って番組名を歌わせたもの。

例③は「最後だけわかればいいんだ」と周年にまつわる歌詞を超高速で歌わせ、最後に番組名を織り込んでいます。たぶん使わないな、これは。

歌詞とメロディの関係

メロディはもちろん、8ビット風、ストリングス、バンドサウンドとアレンジも変えているんですけど、3曲とも歌詞以外に共通項があります。
例①②③の順に、実際のボカロエディター画面をご覧ください。

3作とも「れでぃおみく」の「れ」の音階が一番低く、「み」が最も高くなっています。
これ、ちゃんと理由があります。

どんな歌でも当てはまることですが、歌詞を伝わりやすくするために、言葉のイントネーション(アクセント)とメロディの起伏を合わせるテクニックがあります。
特に毎日のように頻繁に耳に入るジングルの場合、このイントネーションからのメロディ作りが最大のキモとなります。

「れでぃおみく」を例に、もう少し説明しましょう。
5つの音節から成り立っているこのフレーズは、アクセントを高低で表すと…

れ でぃ お み く
低 高 高 高 低

となります。
これに倣って音階をつけると「ドレレレド」という味気ないものになってしまいますが、この高低に「直前の音と比べて」というルールを付与します。
例①の場合で見てみると…

 れ でぃ お み  く
低 高 高 高 低
 D♯↗︎ F↗︎ F♯↗︎ A♯↘︎ G♯

他の2例ともその要件を満たしながら作りました。
ちなみに今回の課題となる「CBCラジオ」を高低で表すとこうなります。

しー びー しー ら じ お
高  高  高  高 低 低

ラジオジングルには限らず、曲作りには「詞先(しせん)/曲先(きょくせん)」というふたつの方法があります。
ジングル作成の場合、そのほとんどが「詞先」にあたります。
先に書かれた歌詞のイントネーションに沿って曲を作ると、しっくり来ると思います。

逆に「曲先」の場合、歌詞はメロディの起伏から言葉を乗せていくのがセオリーとなります。
どちらも歌詞をすっきり聴かせるための工夫となるので、気に留めていただけると幸いです。

勝負は出だしのアレンジ

そしてもうひとつ重要なのは、短い曲ゆえにアレンジ面で工夫が必要です。
ハッキリ言うとメリハリと思い切りです。

3分ほどの曲であれば、イントロから徐々にサビへ盛り上げるための構成が必要ですが、10秒や20秒ではいきなりサビとなります。
一番最初の音は惹きつけるところとなので、厚めでカットインしてくるのが理想です。

世代によりますが、ジングルというと、80年代のFMラジオを連想する方も多いと思います。
当時はハーモニーを駆使した英詞のアカペラが人気でしたが、これも出だしの厚めのコーラスが命でした。

以上のポイントに留意すると、よりベターなジングルが作成できるのではないかと思います。
ぜひお役立てくださいませ。

ラジオ局勤務の赤味噌原理主義者。シンセ 、テルミン 、特撮フィギュアなど、先入観たっぷりのバカ丸出しレビューを投下してます。