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「みそみそうみゃあ」サウンド編

ボカコレ2023春の課題(自称)である動画「みそみそうみゃあ」をアップいたしました。
まだ観てねえという不届き者はこちらをタップすること。

こちらはサウンド編ですが、イラスト編もどうぞよろしく。

動いた奴が優勝

これまでのスッタモンダから、今回は「時間のあるうちに動いた奴が優勝」というルールにしました。

その結果、ボカコレの1ヶ月以上前の2/12に、拙者★みくばんPがバックトラック作りを始め、清水藍にミクさんV4Xでメロディをつけてもらう流れとなりました。

まずイントロを聴きながら、清水とは「ラップのようなパートを入れよう」「ミクとMEIKOのデュオ曲にしよう」「テーマは名古屋」「名古屋メシを入れよう」と珍しく意気投合。

番組にお招きした名古屋在住のボカロP・MINO-Uさんからはウィスパーのデータベースを使うことや、ブレイクでのイメージについてアドバイスを受けました。

その数日後、Aパート、Bパートを足したオケを清水に渡しました。
「ここをラップ」「ここはメロディ」とは決めていなかったのですが、MINO-Uさんの助言も直接受けてるし、清水の出方で考えればいいや、と思ってました。

ジャンル

この「みそみそうみゃあ」のジャンルは何かと問われると、正直よくわかりません。

トランスに近い音作りかもしれませんが、そもそもあまり聴かないジャンルなので「これはトランスでござる」と言えないのです。

あ、エンディングの「優勝」エコーは、「愛をとりもどせ!!」(『北斗の拳』OP)をリスペクトしたわけじゃないので。
「YouはShock」ってジャニー喜多川風味ですよね、どうでもいいですけど。

それはさておき何だろうな、ニコニコ的には「ミクノポップ」ですかね。

まあ皆さんで気の済むまで殴り合って、平和的に決めていただければ幸いです。

イントロ

清水は初音ミクV4Xでイントロに「みみみ」「めめめ」「みそみそ」「うみゃあ」と、数々の不協和音を重ねてきました。
そしてAパートには手をつけず、Bパートの最後の1小節に「赤味噌で優勝」をぶっ込みやがりました。
これがMINO-Uさんからのアドバイスの成果であります。

「さあどうしよう」これが僕の第一印象でした。

清水と打ち合わせた「ラップのような」要素はどうしたらいいんだ。
さらにBパートは7小節で「赤味噌で優勝」に繋げにゃあかんがね。

構成は音楽的に辻褄が合えば何とでもなるんですが、やはり問題はイントロ。
ただでさえテンションコードを鳴らしてるんで、不協和音は致命傷なんですよ。

まず「うみゃあ」は、もともと絶妙な音程でしたが、3/10放送分で清水が「みゃ」が目立つようにピッチを半音弄っちゃいました。
スタジオサブで「あちゃー」って思いましたよ、止めなかったけど。

その改悪を受けて「みみみ」の不協和音を清水に修正してもらい、「めめめ」はMEIKOを和声で歌わせております。

ラップとメロディ

AパートはMEIKO V3(whisper)によるラップです。
あの「みそみそ」「うみゃあ」の後で深い意味は持たせたくなかったので、清水と話した名古屋メシの羅列にしました。

そしてBパート。
8小節目の「赤味噌で優勝」へ繋ぐには、ここにメロディを加えるしかないなと。
歌詞を考えていたら、それに合うメロディが浮かんだので、すぐにメモを取り、家で仮歌をハメこみました。

ハモりの低域はMEIKOに割り振りましたが、バックトラックと合わせて、期せずしてソウルっぽくエモいハーモニー(小並)にできたと思ってます。

全長2分未満

実は大サビ(Cパート)を作ろうと考えてましたが、「赤味噌で優勝」で終わらせるのが正義と確信し、Bパートのリプライズは歌い手をMEIKOに変え、再びイントロで終わることにしました。

ということで、今回は清水(イントロ、実質大サビ)、拙者(Bパート)との共作という形になりました。
Aパートは料理名を並べただけですし、清水ともなんとなくその方向で話していたので、ここは共作部分と言っていいかと思います。

動画は番組ジングル込みで2分ちょうど、曲単体では1分55秒の短さです。
最初の「ごはんのうた」も1分台でしたし、メディアパートナーの立場としては、その分他の方の曲を聴いてほしいので、これくらいの尺がベストでしょう。

この作業は3月9日の0時過ぎに整い、図らずも「ミクの日」に完成したのでした。

使用アプリ・機材について

これまで清水が自分で歌詞とメロディを作ってきた曲は、「かわいい」と形容されるものが多かった印象です。

今回はテーマがテーマなので、そうかわいくもならんだろうと踏みました。

そういう時は、生楽器(のサンプル)を使わない方が、後でシリアスにもコミカルにも如何様にもできるんですね。
そこでサウンドをシンセで固めることは最初から決めていました。

バックトラックに使った機材は、iOS用アプリのKORG Gadget、DAWにはiOS版CubaseのCubasisで、前作「積み木のマーチ」と同じ。

マグロ解体ショー

あとハードウェアですが、このnoteでたまに記事にするRolandのグルーヴボックスMC-101。
Bパート後のイントロにスキャッターをかけたくて使いました。

バージョンアップにより演奏をWAVで吐き出せるようになったので、iPadへの取り込みも楽になりました。
タッチパネルも悪くないけど、やはりフィジカルに演奏できるのはいいもんです。

そしてPCは専らバーチャルシンガーの調声に使用。
清水が初音ミクV4X、僕がMEIKO V3を使い、ともにDAWはStudio Oneで、iPadへはすべてWAVで受け渡しています。

音色(おんしょく)

イントロには僕が好きなスラブ(slab)と呼ばれる、マルチ波形のパッドを使っています。
この音は『らじみくサミット』のOPでも使っていますが、多少エンベロープを弄りました。

『サミット』の時はあからさまにレイヴ風にしようと思ってましたが、先に書いたように、今回特に「〜風」というものは狙っていません。

その他に特徴的な音色はたいしてないんですが、Bメロでフランジングしているパッド、そして4小節目に入るアルペジオサウンドは、デフォルトから作ってます。

プリセットも悪くない

この曲を作っていて、自分なりに変わったことがあります。
それはドラムサウンドでプリセットをほぼそのまま使ったこと。

これまではオールインワンシンセをはじめ、ドラムキットがあっても、プリセットを選ぶことはなく、音色はほとんど差し替えていました。

好みの音で組みたいこともありますが、なんとなくプリセットのままだと「使ったら負け」という感覚があったんです。

ところが今回アプリで立ち上げたキットで何も考えず打ち込んでみたところ、めちゃくちゃまとまりが良かったので、大半をそのまま使ってみました。

当然メーカーさんもまとまりの良さを考えてアサインしているわけで、今まで不義理でごめんなさいと反省しました。

ラジオ局勤務の赤味噌原理主義者。シンセ 、テルミン 、特撮フィギュアなど、先入観たっぷりのバカ丸出しレビューを投下してます。