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『たけしの挑戦状』とメタバース

最近メタバースについて批評的な記事をよく見かけます。

このnoteでも、時折メタバースについて、猫パンチのように触れてきましたが、取り上げ方としては「リメンバー・セカンドライフ」寄りなものでした。

僕もネットコンテンツ系の業務があるので「メタバース、どう?」と聞かれることもあり、3年ほど前から時折関連情報をアップデートしていたんですけど、ここ1年近くは全然デートがアップしてこないんですよね。

もちろん職場を離れた個人としては「おもちろそー」くらいには興味を持って見ています。

ただ「ARグラスがスマートフォンに取って代わる」とは言え、そもそもARユーザーがいつまで居着いてくれるかはわかりません。

若き天才ザッカーバーグの名とともにアメリカから輸入されてきたfacebookですら、ものの数年で1960年代生まれの社交場に成り果ててしまいましたから、オワコン化への道というのはなかなか計り知れません。

気の長いハナシに付き合えるのは、親戚のおじさんくらいでしょうし、企業ならなおのこと四半期決算を何度もかいくぐって投資できるのかなと疑問なんですよね。

去年の暮れに、メタバースへの理解が広がってないことを痛感することもありました。

ある同業者と話していたら、どうやら彼はメタバースそのものをツイッターやInstagramのようにすぐ店が開設できるプラットフォームだと誤解していたようです。

さらにその人は「メタバースには金がかかる」と言われる理由をプレミアム会費だと勘違いしていました。

ちょっと面白かったのでそのままにしておこうと思いましたが、今後のお付き合いもあるので、3秒後に説明しました。

こういう誤解も含めて、研究開発界隈はともかく、ビジネスツールとしてメタバースを語るのはいかがなものかと思うんですね。

「時期未定ですが、この山林にいつか鉄道が通り、ニュータウンができて、デパートが出店し、市役所が建って地価が上がります」

こんなシムシティ感丸出しで大丈夫かなと。

そしてメタバースとセットで語られることの多かったNFTにしても、わりと誰でもイメージできた結末がHOTです。

エンタメ系NFTについては長らく「裸の王様の服みたいなハナシだな」と思って傍観してましたけど、「あくまで自己責任。詐欺じゃない」と言えばその通りです。

そもそものNFTの仕組み自体がどうなんだろうと。

フォルダにJPGとコピーされた同じJPGファイルを置いて、その片方だけブロックチェーンでコピー不可にして市場に出すというハナシですよね。
違います?違ってたら教えてくだされ、賢い方。

先に書いたように、仕事を離れて傍観している身としては、メタバースには楽しみな面もあります。

僕が夢想してるのは『たけしの挑戦状』メタバースなんですよね。

ヤクザとパンチを交わしながら入った映画館でスリに有り金全部盗られ、スクリーンに突き当たって先に進めないままずっと前進してるとか、カラオケ歌ってると宝の地図がもらえるとか、海外に行こうとカルチャークラブB.Gでひんたぼ語とハングライダーを習ってみるとか、退職金を受け取って社長を殴り奥さんと離婚しておかないと、後で南海の孤島から強制帰還させられて無事死亡とか。
そもそもマニュアルもいい加減とか。

もしこの名作クソゲーが、令和のいま初めて作られていたとしたら、ガチャくらいで済まないほどの出費と、倫理観の破壊と心のダメージをユーザーに与えそうです。

しかし、実は先に書いた一部内容でも、仮想通貨を前提にすれば、主人公の退職金や離婚時の慰謝料、商店街での出費、スリにあうイベントなどもエクスペリエンスできてしまうわけですよ。

これをVRで体験したい

例えば「カルチャークラブB.G」なんて、通信教育業者が出資して、この世界観で商売すればいいんですよ。
語学学習なんてそれこそAIの出番ですから、ガチでドイツ語とかの講座を開いて、習得したら「ひんたぼ語」講座を無料で開いて合格させるとかね。

こうした遊びと企業ニーズを面白く落とし込むのがモノホンの未来だと思うんですよね。

誰かタイトーさんに出資しないかなあ。

ハングライダー視点で見てみたい

ラジオ局勤務の赤味噌原理主義者。シンセ 、テルミン 、特撮フィギュアなど、先入観たっぷりのバカ丸出しレビューを投下してます。