企業研究:幸楽苑vsハイデイ日高

こんにちは。今日は幸楽苑の夏ボーナス不支給を受けた、この二社の簡易財務分析を行いたいと思います。ネットでちょっと見ても、この二社は何かとよく比較されます。業態が同じだけれども、戦略および業績がまるっきり対照的だからでしょうか。

今日は以前に行った財務分析的なアプローチでこれら二社を比べていきたいと思います。

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収益性分析

まず、収益性で見てみると売上高総利益や原価率は大して変わらないため、他の記事で言われているような酒類の消費による貢献などは大した財務的な差にはなっていないことがわかりますね。ってかそもそも売上高も大した差は無いですし。。

飲食店全体ではROAの平均は0.3%、中華料理店で2.1%と言われているので、両社ともにそこまで悪い値ではないです。ハイデイ日高はめちゃくちゃキャッシュリッチなので、そこも踏まえて考えると、日高屋の収益性・安全性は万全ですね。

安全性分析

先に述べたように、ハイデイ日高は流動比率300%超、在庫もほとんどないため、かなりキャッシュリッチです。それに対して、固定費もしっかり抑えられています。幸楽苑を見てみると、流動比率が低いのももちろんですが、固定比率も大きいことがわかります。実際に有している固定資産を見てみるとそんなに大きな差は無いため、これは流動負債・固定負債が幸楽苑のほうが大きいことを示唆します。

活動性分析

活動性分析を見てみると、幸楽苑のほうがハイデイ日高より圧倒的に活動量を増やしていることがわかります。テコ入れの真っ最中ということですね。幸楽苑はその活動量によって、長期借入金の返済を積極的に行っています。投資に関しても最低限です。よって事業健全化のために大きく戦略の舵を切っている最中と言えます。

それに対し、ハイデイ日高は投資や配当に回しつつ、内部留保を蓄えるような保守的な経営になっていることがわかります。

生産性分析

こちらについては人件費の詳細なデータが見当たらなかったので、概算になっています。。従業員数は幸楽苑のほうが若干多いため、人の意味では効率的な経営が出来ていないようにも見えます。Openworkのデータを見る限りも若干幸楽苑のほうが値が悪いです。

成長性分析

どちらもCAGRを見る限り微成長を続けています。PERも概ね23倍程度となっており、若干割高ではあるものの、市場からの評価は同列くらいでしょうか。


幸楽苑はワンマン社長なこともあるからか、いきなりステーキのFC出店など相当強引な施策も行っていますが、数字面では確実に成長していく兆しが見えてきています。あとは更なる賞与減給に対して従業員がついていけるかどうかがカギですね。

それに対し、ハイデイ日高は非常に安定・盤石な経営をしているものの、将来に向けての次の一手を打ち切れていない、というところでしょうか。本来はこういう内部留保の積み上げもマイナス要因に見られてしまいがちなところではありますが、このコロナ禍においてはそのような保守的な経営姿勢はプラスに働くのではないかと考えられます。

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