【M&A】第一交通産業、310億円借り入れへ M&Aや手元資金

こんにちは。ちょっと前まで毎日初夏の陽気だったのに、一転ここ数日は冬に逆戻りですね。こうも気候の変動が激しいと体調を崩す人もちらほら出てきそうです。新型コロナウイルスの新規罹患者が減っている中で、またも逆戻りにならないといいのですが。。

さて、今日はそんな新型コロナウイルスの苦境にあえぐ業界の一つ、タクシー業界のニュースを取り上げます。

この記事を取り上げた理由

前々から世の中にあんなにタクシー会社が乱立していることが気にはなっていたのですが、第一交通産業は日本中のタクシー会社のM&Aを繰り返して成長を遂げているようです。タクシー業界におけるM&Aの位置づけと今後の展望を考えるべく、本記事を取り上げました。

要旨

①タクシー大手の第一交通産業は21日、メガバンク2行を含む8つの銀行から最大310億円を無担保で借り入れると発表した。金利は2%未満とみられる。

②310億円のうち約半額を、タクシー会社のM&A(合併・買収)や商業ビルの追加取得に充てる。

③残る半額は手元資金の積み増しに充て、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による不測の事態に備える。同日発表した2020年3月期の連結決算は、純利益が前の期比30%減の29億円だった。

解釈

全然知らなかったのですが、第一交通産業は2010年以降に34件もM&Aを実施するほどM&Aになれた会社のようです。2015年以降は鳴りを潜めていたようですが、去年からまた新たにこの流れを加速し始めたようです。なお、売上ランキング、車両数ランキング共に1位は第一交通産業、2位は日本交通という順位のようです。

ROAは2.45%と低めですが、ROEは9.83%とまずまずです。自己資本比率は24.8%と若干低めです。事業ポートフォリオを見てみると、タクシー事業が中心ではあるものの、多角化をしているおかげで事業はまだ安定しそうですね。不動産事業進出のきっかけもタクシー事業統廃合における不動産活用がきっかけであり、M&Aのシナジーをきちんと生み出していることが伺えます。

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業界全体の市場も縮小しつつある中で、地域の交通系企業が抱える経営問題を解決するためにM&Aを実施して規模拡大も図っている、というのは非常に理にかなった戦略に見えます。

また、バス事業についてはタクシー⇒インバウンド需要の創出⇒インバウンド需要の大きい沖縄への進出、という流れから来ています。シンプルに一貫した戦略ですね。

最近では配車アプリ事業、自動車整備事業、駐車場事業にも参入しています。ミャンマーやインドへも進出するなど、海外事業も精力的です。

タクシー業界、侮っていましたが、着々と業界再編は進んでいるようです。

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