場と人の一体感

音楽番組を観ていると、時折こんな瞬間が訪れる。

音楽を通して出演者の方たち全員の、気持ちの渡し合いを観ているような感覚。
これをリレーの競技で喩えるとするならば、選び抜かれた選手たちがたくさん集まって、その中の一人がスタートをきる。順に熱く駆けぬけながら、次の選手にバトンを渡す。それを受け取った人も良いパフォーマンスで走りつづける。気持ちのリレーを繋ぐように、みんなが良いモチベーションを保ちながら曲を披露する。


これはあくまで私の主観的な見方なんだけど、その方たちに共通することは、場と人のモチベーションをあげる役目を個々でやっている。個々ということは、一人ひとりがそれぞれに良い個性を発揮しているわけで、それを全体として観た場合、一体感といえるのではないだろうか、という考えである。


その一体感が画面を通して、感じられると楽しみが倍に増えた気がしてうれしくなる。ひとつのことを観るのではなく全体の雰囲気、合間のトーク中のアンバランスなワチャワチャ感、お客さんたちの盛りあがり。全部含めて番組の醍醐味であるという思いで、観ている。そんな瞬間に出合うとテンションがあがる。いつもの番組が特別な空間に変わる。どこをとっても、『メインどころ満載』なので、録画しておいたその番組を何度もリピートする。


ひとつだけっていうのは、なにか大事なものを見落としてしまっている気がしてもったいないね。まわりに目を向けると、楽しさはいくらでも転がっている。そこにこそ目を向けて、豊かな感情を味わっていたい。私はそう思うのだ。