夏と秋のせめぎ合い。

「いいよいいよ、まだ暑いし」

「いやいや、9月に入ったら秋でしょ」


これがこの時期こころの中で、せめぎ合う私のふたつのこころの声である。


暦の上では9月は秋である。だいぶ朝と夜は涼しさが、からだに心地よく感じられるようになった。就寝時の寝苦しさからも解放されてうれしい。ただ、昼間はここ数年9月であっても容赦なく気温は上昇する。これが年々地球の温暖化が進んでいるという変わらない事実であると同時に、「あついあつい」と言いながらも、世間ではいまや普通の事として浸透しつつあるのだ。


それゆえに「まだ暑いから夏服でしょ」「秋だし流行も意識したいんです」
このような気持ちがこころの中で、せめぎ合いを始めるのだ。


そして8月の中旬頃からかなあ?買い物に出かけると、お店にも秋めいた服が並ぶようになる。街を歩く人びとの中にも、まばらにさりげなく秋らしい色やデザインの服を着た人がちらほらと。


私も出かける前に意識的に深みのある色を選ぶようになった。暗い色味の服が自分の中で、「秋の色」という概念があるのか、黒、茶色、カーキ色などの服を選ぶことが多い。そろそろ淡い色の服は洗濯して、タンスにしまわなきゃとも思っている。


でも、こころはまだサンダル気分がぬけない。本音をいうと軽やかな色味の半そでTシャツはまだ着ていたい。昼間は長そでの服なんて、とてもじゃないけど腕を通す気分にはなれない。


流れに乗りたい気持ちと「いいじゃん暑いんだから無理しなくてもさ」と隙あらばそれを打ち返そうとする自分がいるのだ。


秋の格好をして太陽が照りつけるなか、若干汗ばみながらスンとした顔で街を歩くのか。暑さにしたがって、夏服を素直に着るのか。そんな小さなこころの攻防戦は、おそらく10月の初旬頃まで続くと思われる。


…… いま思い出した!同じような内容の文章を「もうわからない。」というタイトルで去年の『note』にあげていたことを。確認したらなんと、11月ではないか!ということは11月もこの暑さは続くの?えーおどろき。


ニュースでも「9月ですが熱中症にはまだまだ十分気をつけてください」なんて言ってたなあ。


「今年から9月は夏です」

もういっそ来年あたりから、どこかの関係機関でこのように断言してもらえないだろうか。


言いたい、言ってしまいたい。


「9月は夏です」

「夏じゃないですか?」と。

どうでしょうかこれ?

ってあなた、そんなのみんな思ってるって。

もう、だからとにかく暑いんだよー!


どう?書いてみて、こころはスッとした?