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シャキッとしたはなし

クローゼットから懐かしいパンツが出てきた。

約2年ほどご無沙汰していたこのパンツは、育休からの復帰に合わせ、小汚い洋服で会社に行くのもアレだろう…と、わざわざ購入したもの。

普段私がヘビロテする洋服はゆるーっとしたウエストゴムでラインを拾いにくいものばかり。
小綺麗に見えるこのパンツは、当然キチッとしたカタチでウエストにボタンやホックのついた誤魔化しのきかないデザイン。

社会復帰と同時に外出しにくいご時世に突入したことや、育児仕事のストレス過多を言い訳に、あれよあれよとボリュームを増したわたしの身体は楽な方を選択し続け、そしてこのパンツはクローゼットの隅に追いやられて日の目を浴びぬまま気づけば2年も経過していたのだ。

ああ!そういえばこんな綺麗なパンツ持ってたじゃん!
少し暑さが和らいだこともあり、小綺麗な格好をしたくなった。

キツイかも

一瞬頭をよぎったけど、いや、いけるっしょ!と、最近買ったばかりの白シャツに合わせて、
行ってきまーす!と颯爽と家を出てきた。

そして、銀座の街を歩きながら、やたらと背筋ピーンとなっている自分に気づく。


怪我の巧妙

まっすぐ立っていればセーフ。
姿勢を崩すと腹にぐっと圧迫感を感じるので、自然とシャキッとするというわけだ。


半強制的ではあるものの、服装も意識もシャキッとした自分。
たまにはこんな気分も悪くない。


この気づきを忘れないように、
少々シェイプアップが必要だぞ!今なら取り戻せるぞ!
と自分の心に刻みつけながら歩いている。

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