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【#ファンケル】株主総会の会場(横浜アリーナ前)にて、ファンケルの実情をお伝えする街宣行動を実施しました。

ファンケルグループの製造部門である「ファンケル美健」で働く労働者のSさんと私たち総合サポートユニオン(労働組合)は、6月22日土曜日、横浜アリーナ付近にてファンケルの労働問題を訴える宣伝活動を行いました。

労働組合が労働環境改善のために行う宣伝活動は、労働組合法の「団体行動権」として認められた正当な権利です。

本記事では、ファンケルの労働問題や当日の様子について、共有します。


⚫️ファンケルの労務管理の実態


当日配布したチラシ


ファンケル美健では、自己申告の勤務時間を客観的なデータで裏付けをとるため(過小申告や過大申告を防ぐため)、工場の出入り口に設置されている静脈認証システムで出退勤時間を把握していました。

実際に勤務管理表には、「客観的データ」として静脈認証システムの時間が明記され、上長が労働者の労働時間を客観的に把握できる仕組みとなっていました。

しかし、実際には、静脈認証システムの時間と会社が労働者に自己申告させる時間には乖離が生まれていました。これらの問題について、私たちは継続して是正を求めていました。
 

当日配布したチラシ裏面


例えば、5/7は労働者の実際の退勤時間は23:01でした。しかし、管理職は1時間30分も短い21:30を業務終了時刻としています。一方、5/8のように勤務予定時間の08:30を過ぎて静脈認証システムの時間が計上されると、その時間が採用され1分の遅刻扱いにされてしまいます。5/9に至っては翌日5/10の深夜0:23に退勤したにも関わらず、20:00を業務終了時刻とされてしまいました。
 

●なぜ、労働時間に差異が生じるのか。


実は、表の「就労時間」は、労働者本人が申告するため、申告通りであると言えます。しかし、労働者は、実際の正確な労働時間が申告できない事情がありました。

ファンケル美健では、当時、月に一度、残業時間が多い人から、従業員の氏名と残業時間を朝礼時、他の従業員の前で公表され、反省を促していました。従業員はこのようにつるし上げられるわけですから、多くの従業員は、実際の就労時間を過小に申請していました。

ファンケル美健はこのように従業員に労働時間を過小申告させ、その事実を知りながら、上述したように終了時刻を20:00で承認していました。連日に渡り退勤時間と申請時間が数時間も違うわけですから、故意に「過小」になるように管理していたと言えるでしょう。
 

⚫️労働基準法違反(賃金未払い 24条、37条違反)として是正勧告

これらの事実を労働基準監督署に通報したところ、労働基準法違反(賃金未払い24条、37条違反)として是正勧告と指導票が、2022年6月29日に太田労働基準監督署からい渡されました。つまり、違法行為を是正するように行政から指導を受けたわけです。

私たちは、不正を行うことが難しい客観的労働時間管理システムで労働時間を管理するように要求しましたが、現時点においても満足のいく状態にはなっておりません。引き続き、会社がサービス残業をさせないように、客観的労働時間管理システムを労働時間の管理として全従業員に導入するように求めていきます。

⚫️3年間で2度の休職

Sさんは精神疾患を2021年4月に、発症し、そこから1年間休職、復職後に再度2023年2月からさらに1年間の休職。
今年2024年2月から復職して現場復帰しております。
 
精神疾患の原因が、正しく労務管理されていなかったことによる過負荷と看過出来ないレベルの執拗なパワーハラスメントがあったことと主張し、労災ユニオンを通じ企業側に訴え、それらについての団体交渉を2021年から計8回行っておりますが、交渉は決裂し、未だ問題解決には至っておりません。

⚫️Sさんの想い、今後は

これまで3年間は、団体交渉のみで会社の改善を図れると信じ、表立った社会発信等はあえて控え、ファンケルの自浄作用に期待しておりましたが、やはり染みついた企業体質というものはそう簡単に変わるものではないと実感しました。

当日の街宣行動で、たくさんの方々から応援のお言葉、賛同をいただきました。作成したチラシも約1500名の方々に受け取っていただけました。

上述の、悪しき体質や慣習を変えることが出来るのは、会社の自浄作用や内部コンプライアンス機関ではなく、社会、社会の皆様の外側からのチカラしかないと本日の宣伝行動を通じて感じました。

私の案件は、団体交渉が平行線のまま決裂しております。
これからは、第一に様々な社会発信等を広く行っていき、会社には社会の皆様の声を取り入れてよく考えて欲しいです。

企業側にもその準備が整い話し合いが可能な状況になり、再開の目処がたちましたら、団体交渉を行いたいと考えております。

最後に、私と同じような悩みを抱えて、悔し涙を流されている方々、悔しくて仕事を辞めててしまいたいと考えている方々、そして病になってしまった方々へ。

不満や愚痴を言うだけでは、企業は変わりません!!
権利主張・権利行使をしなくては、企業側に搾取されて、病んでしまうだけです。

理不尽だと思えることがあり悩んでいるのでしたら、私たちと一緒に声をあげ、まず一歩踏み出すところから始めてみましょう。そうすればきっと変えることが出来ます。そのお手伝いをするのがユニオンのメンバーです。

私たちは、「みんなが普通に暮らせる社会」を実現することを目指しております。

⚫️相談窓口など

相談窓口について
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