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【#青山学院】また青学!非正規職員の雇止め撤回を求めて団体交渉を申入れ!

 青山学院高等部にて、1年契約(3年まで更新可)の情報科パートタイム職員として働くFさんが私学教員ユニオンに加入しました。そして、先日2024年4月30日に雇い止め撤回のため、団体交渉を法人本部へ申し入れました。この記事はその経緯の概要をお伝えいたします。

 私学教員ユニオンでは、以下のように、既に非正規教員の問題として、団体交渉を学校法人青山学院に対して行っておりますが、同一法人の同一年度で、こういった訴えを再び起こさざるを得ないことは大変遺憾であります。

非常勤講師が青山学院を提訴! 「無期転換逃れ」の雇い止めか?(Yahoo!記事)

 今後、部活動の民間委託や、様々な教育サービスの展開により、教員だけではなく、学校法人に関わる職務に就く全ての人にとって、働きやすい環境と、公正・公平な契約が求められています。本件の問題は決してFさんに限った話ではなく、どこでも・誰でも起こり得る可能性があります。今後懸念される問題だけに、ぜひ、一緒に様々な学校で声をあげて、業界全体を変えていきましょう。

 同様の問題を抱えている非正規労働者の方など関心がある方は、本記事最後の連絡先までぜひご連絡ください。

Fさんの経緯

◆非営利団体への最初の依頼と異なる契約内容や職務

 まず、Fさんが青山学院高等部のパートタイム職員として着任した経緯と、その際のやりとりについて説明します。

 2023年2月に、専任教諭より、メッセンジャーアプリによって私に「◯◯協会として本校の「情報Ⅰ」の授業をよりよく変革していただけないでしょうか?」という打診がありました。その際、私は大学院を修了する間際で、◯◯協会という任意団体を法人化し、様々な事業を手がける予定で、依頼を受けるか相当悩みました。

 結果として、Fさんは職務内容に自由度があることと、専任教諭の熱量、3年まで契約を更新できること、◯◯協会として関われることを考慮し、青山学院高等部に関わることを決めました。

 しかし、履歴書を青山学院高等部に提出する段階で、◯◯協会として職務にあたる事項は削除を求められ、職務に従事する中で学校側の理解を専任教諭と徐々に求めていくと伝えられました。従って、Fさんは個人として、パートタイム職員の身分として着任する形となりました。

 結果として、着任後に求められた職務は専任教諭の授業の補助が中心でした。「情報Ⅰ」の授業改革に関連する職務は、新しい授業のカリキュラムの提案を突然求められるのみでした。Fさんは、勤務時間外で情報科の学習指導要領を読み込み、現場に沿った提案を行いましたが、特に専任教諭から感謝もフィードバックもありませんでした。そんな環境でも、まずは目の前の生徒のために授業を良くしようと直接的な不満や疑問は述べず、職務に当たっておりました。

◆信頼関係の崩壊


 残念ながらFさんと専任教諭との関係は、職務上の小さなすれ違いから、段々とコミュニケーションを取りづらくなっていきました。そこで私は、情報科の先生が集まり、週に一度会議をする「教科会」の場で、「最近すれ違いが多く、良い授業を作れていないため、一度じっくりと話し合いたい」旨を相談しました。しかし、専任教諭から返ってきた言葉は「F(私)と話しているときは、まるで生徒と話しているようだ」というセリフでした。

 結果として他の教諭が間に入ってくださり、教頭と部長(所謂、校長)の管理職が調査と対応をすることになりました。管理職の確認の結果、Fさんに管理職から口頭での謝罪と、今後の職務は情報科の他の教諭の情報の授業のみを担当するようにという指示がありました。専任教諭から直接謝罪の言葉は無かったものの、私は大事にせず、とにかく良い情報教育の場を作りたいという思いがあり、その後、前向きに職務に関わるように努めました。

◆説明不十分な雇い止めや、退職願による退職勧奨

 そして、Fさんは2023年末に、職務を学校側に認めてもらい、◯◯協会と学校の間で契約を締結することや、パートタイム職員ではなく、特別非常勤講師などの申請により、従来の◯◯協会への要請を正式なものとするように学校側に相談する機会を持ちました。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/1326555.htm
 (参考:特別免許状及び特別非常勤制度)

 しかし、返ってきた言葉は、学校側は職務については大いに評価していただいたものの、「あくまで情報科のパートタイム職員として採用しており、今後も教科の要請に基づいて設置する」という返答でした。専任教諭は教科主任であり、情報科の決定権を大きく左右する立場にあることを不安視したFさんはすぐに、契約更新の要望をしました。そして、その不安は的中し、「そもそも教科としてアシスタントのパートタイム職員を置かない」という方針であると間接的に耳にする形となり、必然的に2024年4月末で雇い止めとなる可能性が浮上しました。この経緯は複雑で、現段階では多くを公表できませんが、今後の団交で交渉していく所存です。

 また、契約が3ヶ月以上残っている2月5日に、専任教諭から、職務中、急に「退職願」を記入し3月末で学校を自ら退職するように迫られることになりました。すぐに他の教諭が気づき、撤回されたものの、Fさんは心から傷つき、それからしばらく睡眠障害や不安症に悩まされた挙句、精神科を受診したところうつ病の診断をされました。

◆私学教員ユニオンに加入し、声を上げる

 その後、Fさんは青山学院ハラスメント防止委員会に改めて専任教諭から受けた暴言について、ハラスメントではないかと「ハラスメント申立書」を作成し、雇い止めはハラスメントがあったことに起因するのではないかという訴えを起こしました。

 しかし、学校側はハラスメントの有無と人事については別の問題であると述べ、ハラスメントの有無を調査中にもかかわらず、Fさんは雇い止めとなりました。

 そこでFさんは、私学教員ユニオンに加入し、青山学院法人本部に団体交渉を申し入れ、雇止め理由証明書の提出および雇止めの撤回を要求しました。

 以上がFさんの団交に至った経緯になります。未だ団交前であることから詳細の説明ができない部分も多いため、今後の進展とともに発信をして参ります。非営利団体に依頼があり、学校教育に携わったFさんが直面したこの雇い止めは、学校に所属する教職員としてだけではなく、学校の要請に基づき、部活動の民間委託や、教育現場に様々な学生団体や非営利団体が積極的に関わろうとしている今、生徒の教育環境改善にも直結するものです。ぜひ応援をよろしくお願いいたします。

◆教員の労働環境、生徒の教育環境を一緒に変えていきましょう

 私たち私学教員ユニオンでは、教員の労働環境・生徒への教育環境を変えたいという教員を募集しています。私たちは、学校や雇用形態の垣根を越えて、教育業界全体を変えるために活動しています。互いの学校の問題改善を互いに支援して取り組んでいます。
 
 また、私学教員の方以外でも、教員の働き方や生徒への教育環境の問題に関心を持ち、活動に関わってみたいという学生・教員のボランティアの方も募集しております。興味を持った方は下記の窓口までお気軽にご連絡ください。

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