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【#昌平学園】団体交渉申し入れ直後、無期転換直前での雇い止めを回避!

 埼玉県北葛飾郡にある「昌平中学校・高等学校」にて、非常勤講師として働くAさんが私学教員ユニオンに加入しました。そして、先日1月17日に労働環境改善のため、団体交渉を学校へ申し入れました。

 Aさんが私学教員ユニオンで立ち上がった経緯は以下になります。ぜひ、ご覧ください。

 また、Aさん同様の問題を抱えている方は、昌平中学校・高等学校に限らず、教育業界全体に沢山いると思います。ぜひ、一緒に様々な学校で声をあげて、業界全体を変えていきましょう。関心がある方は、本記事最後の連絡先までぜひご連絡ください。


◆授業以外に膨大な業務を任され過重労働に

 私が昌平学園に着任したのは今から5年前のことです。最初は非常勤講師としての採用のはずでしたが、着任の直前に常勤講師へ変更となり働き始めました。

 昌平学園で働く以前は、都内の私立高校で非常勤講師として7年間、その後専任教諭として18年間勤務しておりました。前任校が自宅からかなりの遠方だったため、自身の体調と家族の状況を考え、自宅に近い昌平学園の募集に応募したところ採用されました。

 しかし、昌平学園での仕事内容は過酷なものでした。昌平中学の英語科は、週3回の朝の単語テスト作成、週4~5時間の英語の授業内での単語テスト、文法の小テストの作成、中学生と高校生の授業準備として授業プリントやパワーポイントの作成等、授業以外にも沢山の業務が必要でした。また、英検2次試験の面接指導は勤務開始時間前、昼休み、放課後、勤務時間後も当然のこととして求められました。

◆タイムカードがなく、賃金未払いも

 私は、上記のような様々な業務により過重労働に追い込まれていました。しかし、学内にはタイムカード等での客観的な労働時間管理がなされていませんでした。今も「出勤簿」(カレンダーに類するもの)にハンコを押すだけで、何時から何時まで働いたかは証拠が残りません。客観的な労働時間管理は法律上の義務ですが、学校はそれを守っていません。


出雲労働基準監督署パンフレット

【参考】出雲労働基準監督署パンフレット
https://jsite.mhlw.go.jp/shimane-roudoukyoku/content/contents/001303412.pdf

 また、それも原因となり、時間外労働に対する賃金は十分に支払われていませんでした。労働法では、時間外労働に対しては1分単位で賃金を支払わなければなりません。

◆右腕を負傷し労災申請を申し出るも進まず

 3年目に、私は大量の教材作成等のため右手、右腕を損傷し、病院の指示に従って労災の申請を学校へ申し出ました。しかし、昌平学園からは「誰に言われたのか」、「症状が学校での労働によるものと証明できない」、「労災を申請するとあなたが働きにくくなる」などと言われ、労災を申請することができませんでした。

 その結果、私は仕事が原因で負傷したにもかかわらず、自費で治療をすることになりました。「労災隠し」ではないかと、私は考えています。

その後も体調も思わしくなかったため、4年目は仕事量を減らし治療に専念すべく、非常勤講師での勤務を希望しました。

 ところが、非常勤講師として、1週間に授業を20コマも持って欲しいと昌平学園から言われました。しかも、授業内容が7科目もありました。ある程度同じ科目であれば授業準備等を効率化することもできますが、全部違う種類の科目だったため、毎回の準備に大変な時間かかり、当初想定していた体調回復が図れませんでした。

◆無期転換直前での雇い止めを回避!

 そして、翌年、5年目を迎えるのに当たり、次年度の担当授業時間と出勤日の希望を聞かれ、他の非常勤講師の方々と同じように希望を私は出しました。ところが、事務統括から「そんな希望を出すなら採用に関わる」と言われ愕然としました。ほかの方が希望を出したときはそのようなことは言われていないのに、なぜ私だけこのようなことを言われるのでしょうか?

 これは1年更新で立場の弱い非正規雇用教員に対するパワーハラスメントではないでしょうか。相手によって態度を変えるとは聞いていましたが、このような形で伝えられたことに大きなショックを受けました。

 私はあと1回、今年の4月に契約更新をすると、無期雇用へ転換する権利が生じます。「無期転換ルール(労働契約法18条)」とは、期間の定めのある雇用契約の労働者が反復更新されて通算5年を超えたときは労働者の申込みによって、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるというものです。不安定な非正規雇用で働く労働者の保護のために作られた権利です。

厚労省HP

【参考】厚労省HP
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21917.html

 しかし、2学期末に他の非常勤講師には来年度の契約の打診があったにもかかわらず、私には連絡がありません。私は2度にわたって学校へ来年度の契約更新について問い合わせましたが、学校からは「検討中」という曖昧模糊たる回答しかありませんでした。

 これらのやりとりから、学校は無期転換直前で私を雇い止めをしようとしているのではと感じました。4月以降の生活の目処も立たず、とても不安な状況でした。

 しかし、団体交渉を申し入れた後の1月25日に、学校から来年度の契約更新の連絡がユニオンへありました。私は、ユニオンで団体交渉を申し入れたことの成果だと受け止めています!(直近のことです!)
 
 多くの非正規教員の方々が、理不尽な雇い止めや契約更新に不安な時期だと思います。ユニオンの仲間と声をあげれば状況を変えられることが証明されました!
 

◆業界全体の改善を目指して

 過去には、「何度要望を出しても聞いてもらえない、改善されない」と言って優秀な先生が失望し、昌平学園を去っていったことがありました。学園内の「声の大きい人」の言うことは通りますが、それ以外の人の声は無視されるどころか減点評価の対象となる構造があると思います。公正を求める内部の声が黙殺されるのであれば、外部から働きかけるしかないと私は思いました。

 私は、誰でも1人から加入できる学外の労働組合「私学教員ユニオン」の方々と話をする中で、全国に同じ境遇の中で諦めず闘っている教員たちが数多くいることを知りました。様々な知識や経験、情報を学び、学園に改革・改善を求めていきたいと思い、私学教員ユニオンに加入し、学校を変えようと動くことにしました。

 契約更新はされましたが、まだまだ問題は山積です。ぜひみなさん、応援をよろしくお願いいたします。

◆教員の労働環境、生徒の教育環境を一緒に変えていきましょう

 私たち私学教員ユニオンでは、教員の労働環境・生徒への教育環境を変えたいという教員を募集しています。私たちは、学校や雇用形態の垣根を越えて、教育業界全体を変えるために活動しています。互いの学校の問題改善を互いに支援して取り組んでいます。
 
 また、私学教員の方以外でも、教員の働き方や生徒への教育環境の問題に関心を持ち、活動に関わってみたいという学生・教員のボランティアの方も募集しております。興味を持った方は下記の窓口までお気軽にご連絡ください。

電話番号 03-6804-7650
(平日17~21時/日祝13~17時 水曜・土曜休み)
メール info@sougou-u.jp
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