【#ヤマト運輸】変形労働時間制の廃止を勝ち取りました！

総合サポートユニオンでは、ヤマト運輸の現役ドライバーの労働者がユニオンへ加入し、2017年から社内の労働環境改善を目指し団体交渉を進めてきました。

特に、長時間労働や残業代不払いを招く「変形労働時間制度」について、団体交渉だけでなく、裁判も提訴して私たちは闘ってきました。法的には厳格な運用条件が課されていますが、ヤマト運輸同様、それを守っていない企業が多いと私たちは日々の労働相談等から感じています。

https://note.com/sguion/n/n082c61db7efb

変形労働時間制は、物流業界だけでなく、最近では教育や飲食業界などサービス業にも拡大しています。変形労働時間制を採用している企業の割合は、 最近の厚労省の調査でも59.6％にも及び、日本の約６割の企業もが導入しています。

【厚労省HP】
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/21/dl/gaiyou01.pdf

これまで、私たちは諦めず団体交渉や裁判を継続してきましたが、ついに、今年4月からヤマト運輸は全社的に変形労働時間制を廃止することになりました！

会社は私たちの要求によるものだとは認めていませんが、組合員や私たちが声を上げなければ、このような大きな変化は起こらなかったはずです。

物流業界最大手のヤマト運輸での変形労働時間制の廃止は、物流業界のみならず、社会全体へ大きな影響を与えていくと思います。以下、組合員からの報告です。

◆変形労働時間制の「悪用」による長時間労働や残業代不払い

今期からヤマト運輸は働き方が大きく変わります。それは変形労働時間制を廃止するからです。

ヤマト運輸では長年一ヶ月単位の変形労働時間制を導入することで、長時間労働を招くとともに、残業代を大きく削減してきました。通常なら一日八時間を超えると残業代が生じるのですが、一か月の平均を週四十時間に納めれば残業代を払わなくて良いという制度だからです。

この会社側に都合の良い残業代削減制度を導入するには、一カ月前までに勤務シフトを確定しその後変更させてはいけないなど厳格な運用が義務付けられています。しかし、ヤマト運輸ではそのような運用ルールが守られておらずシフト変更なども生じ、不規則な働き方になっていました。そして、残業代を削減されているだけでした。私がヤマト運輸を相手に変形労働時間制の悪用を指摘する裁判を起こしたのもこういう事情からでした。

【厚労省HPからの引用】
シフト表や会社カレンダーなどで、対象期間すべての労働日ごとの労働時間をあらかじめ具体的に定める必要があります。その際、対象期間を平均して、１週間あたりの労働時間が40時間（特例措置対象事業場は44時間）を超えないよう設定しなければなりません。
なお、特定した労働日または労働日ごとの労働時間を任意に変更することはできません。

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/140811-2.pdf

◆たった1人でも大企業の労働環境を変えることができます

ところが、この度、裁判の結果を待たずにヤマト運輸は変形労働時間制を廃止しました。

私の加入している総合サポートユニオンと私は、ヤマト運輸に対して変形労働時間制の廃止理由を団体交渉で問ただしていました。しかし、ヤマト運輸は整合性の取れない理屈をダラダラと繰り返すだけで、残念ながら是正を勝ち取ることは団体交渉では出来なかったため、裁判に提訴していました。

今回の会社の動きの背景としては、私の裁判の結果次第で、全国のヤマト運輸で悪用されている変形労働時間制が認められず多額の未払い残業代が発生する可能性があるというのが大きかったと思います。それを回避するために、事前に手を打ってきたのでしょう。

総合サポートユニオンと私は、これからもヤマト運輸と団体交渉を繰り返し行い、さらなる労働環境の改善を進めていきます。

ヤマト運輸に限らず、今の職場の労働環境を変えたいと言う方は、ぜひ私たちへご連絡ください。ヤマト運輸のような社員数が約20万人の物流業界最大手企業に対しても、ユニオンの仲間と声をあげればたった1人からでも状況を変えることができます。

◆労働相談や共に活動するボランティアの募集

職場で労働問題を抱えている方は以下の私たちの相談窓口まで電話・メールにてご相談ください。無料対応・秘密厳守で対応しています。ユニオンの仲間と一緒に違法・不当な状況に対して声を上げてみませんか？改善事例はたくさんあります。

また、私たちは一緒に労働環境を変えたいという学生・労働者のボランティアを募集しています。労働相談、団体交渉、社会発信などの活動は、組合メンバーとボランティアが一緒になって進めています。ボランティアを希望される方は、以下のメールまでご連絡ください。

電話番号：03-6804-7650
（平日17～21時／日祝13～17時　水曜・土曜休み）
メール：info@sougou-u.jp

◆寄付のお願い

私たち運営費の大部分は寄付で成り立っていますが、費用の不足が私たち総合サポートユニオンの課題となっています。総合サポートユニオンの活動に賛同し、寄付をいただける方は、下記の振込先をご利用ください。ご協力をお願い致します。

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