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芸能事務所のマネージャーの事件で、上司から指示を受ける入社3年以内の裁量労働制を撤廃、過去の「定額働かせ放題」についても金銭解決しました!

芸能事務所で勤務していた20代のアシスタントマネージャーのAさんが、ブラック企業ユニオン(裁量労働制ユニオン)に加盟して、同社と団体交渉を行っていた事件が無事解決したので、ご報告します。

■裁量労働制で月200時間の長時間労働

元従業員のAさんは、入社1年目からアーティストのアシスタントマネージャーとして勤務しており、専門業務型裁量労働制を適用されていました。その後は物販担当に異動になりましたが、専門業務型裁量労働制を適用できる対象業務の「デザイン業務」に当てはまるとして、やはり専門業務型裁量労働制が適用されていました。
「定額働かせ放題」になってしまう裁量労働制を適用されたことで、Aさんは最大200時間の時間外労働を行うこととなり、残業代未払いも発生していました。

■過去の裁量労働制について、納得できる額の金銭解決

Aさんはブラック企業ユニオンに加入して、芸能事務所と団体交渉を始めました。
裁量労働制は、上司の指示を受けずに、業務の遂行や時間配分について、裁量をもっている労働者に対してのみ、適用できる制度です。入社したばかりで一人で業務を行うための経験や能力の十分でない労働者や、上司から指示を受けながら、そのアシスタントとして業務を行う場合は、対象者として当適切ではありません。
また、実際に行っていた業務内容が、厚労省の定めた対象業務から外れる場合も、裁量労働制を適用することはできません。これらの条件に違反している場合は、過去の裁量労働制の適用が無効となり、残業代を取り返すことができます。
団体交渉の結果、Aさんに対して芸能事務所から納得できる金額の解決金が支払われました。

■Aさんと同じ立場の労働者に対して、裁量労働制を撤廃させました!

金銭解決だけではありません。Aさん以外の現在勤務している労働者の裁量労働制に対しても、改善がなされました。団体交渉の結果、この芸能事務所は、物販担当に対してはもちろん、上司から指示を受ける、入社3年以内のアシスタントマネージャーについて、専門業務型裁量労働制の適用を外すという改善策を取ることを約束しました。実は、専門業務型裁量労働制については行政通達や判例も極端に少なく、これは画期的な解決です。

■Aさんのコメント

私は、ユニオンに加入して、会社と交渉を行い、交渉の中で自分の意見主張することに不安もありましたが、しっかりと会社に主張することで、自分の未来を変えることができました。

交渉の結果、裁量労働制の問題を認めさせ、かつ、残業代請求に対しても納得のいく回答を得られて、本当に交渉を続けて良かったなと思っています。

今後の日本の労働環境において、裁量労働制が正しく適用されるようになってくれれば嬉しいです。

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