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【#昌平学園】非常勤講師のWi-Fi自腹負担改善や無期転換権の周知などを認めさせました!

昌平学園で働く非常勤講師が私たちのユニオンに加入し、今年1月から団体交渉を続けてきています。

第3回の団体交渉は2024年度の最初の団交になり、昨年度の2度にわたる団交で確約した内容と、それを受けて新年度の職場環境についての確認、物価上昇に見合った賃上げ等の要求を行いましたので、共有します。

私学業界で同様の問題を抱えている教員の方は、私たちまで連絡をください。一緒に今の状況を変えていきましょう。


◆非常勤講師の労働時間管理の不備

昌平学園では、2024年度より新しい方法で労働時間管理を行ことになりました。しかし、学園の導入したシステム「Blend」を使う環境が整っておらず、非常勤講師はいまだ紙ベースでの労働時間管理となっています。

労働時間はタイムカード等での客観的な把握が義務となっていますので、早急な改善を私たちは求めていましたが、未だ不十分な状況です。

◆非常勤講師は業務遂行に必要なWi-Fi環境も自腹負担

また、現状では、非常勤講師がBlend等を使用する際の通信料は自腹で払わなくてはならず、コロナを機に導入された学園内の連絡ツールであるslackも同様でした。

やり取りされるその情報量たるや膨大なもので、校内で業務に必要な情報を得るのに通信費は各自で負担という状態はとても納得できるものではありませんでした。

組合としては「①学園内のWi-Fiの使用を許可する ②勤怠管理専用のパソコンを1台用意する ③非常勤講師にも1人1台のパソコンの貸与をする」という3つの選択肢を示し、非常勤講師が通信費を自費で払う必要ない環境を早急に整えることを学園側に求めました。

学園側の回答としては「非常勤講師にもできるだけ1人1台のパソコンの貸与を検討しているが、生徒優先で進めており、世界的な半導体不足とも相まって準備が遅れている。6月からパソコンが来るまでの間、個人の携帯通信端末で学内のWi-Fiにアクセスできる権限を与える案内をする準備をしている」との回答がありました。

パソコンは7月くらいになりそうです。また、これらの状況について説明と連絡が足りなかったということで、今後、業務遂行に必要な連絡に漏れのないよう確認しました。

◆組合員の無期転換手続きの遅れ、無期転換の権利の未周知


第1回の団交の時に確約を得た組合員の2024年度からの無期転換について、2024年度の契約書に反映されていませんでした。その理由の説明を求めたところ、「来年度(2025年度)の契約書から記載するもの考えている」という回答でした。

2024年4月から無期転換の権利を有する労働者には、使用者はその旨を周知し、契約書に「無期転換の権利を有する」と記載する義務がありますが組合員の契約書にはその記載がありませんでした。

厚労省HP抜粋

【参考】
令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されて無期転換ルール及び労働契約関係の明確化が必要になります(厚労省)

この時点で契約書は問題があるため、内容を訂正して契約書の再発行を求めましたが、学園側はなぜか頑なに応じず、「申請書の提出を持って無期転換と認定する」という回答でした。

また、組合員以外にも無期転換の権利を有する非常勤講師は多数いますが、手続きが必要だとは知らされておらず、契約書にもその記載はありません。

この問題についての学園側の回答は「今年度中に書類で申請できるように準備をする」、「学校としては希望者に対してのみ対処するつもりである」のみでした。

無期転換の権利を周知しないというのは、学園側の都合で非常勤講師を雇止め出来る状態を保ちたいとしか考えられません。

◆非常勤講師への就業規則の周知不足

 
昌平学園の雇用契約書には「昌平中学・高等学校非常勤講師に関する規定 第〇条による」とありますが、就業規則はいったいどこのあるのか、どのように確認することができるのか、非常勤講師である私たちはまったく知らされていません。

第一職員室の管理職の机の前に一冊だけおいてあることを私が知ったのは、3年目のことでした。

労働法では、就業規則の周知義務があり、これは教員に対して不誠実ではないでしょうか。

特に、何か学校に対して主張すると雇い止めの危険性がある非常勤講師は就業規則を見ることが困難です。

今年度より就業規定が一部改訂されたので、改訂版を、「①冊子にして配布、②ウェブで閲覧可能に、③各職員室に一冊配置」のいずれかの方法で誰でも自由に閲覧できるようにしてほしいと私たちは要求しました。

学園からは、「どうしてそういう状況になっているのかを確認してから答える」との回答だった。各職員室に置くことも現段階では合意できず、ウェブでの閲覧は「リスク」があるのでできないということでした。

具体的なリスクについて問うと、広く知られると給与を比べられ、教員の採用に影響するからと述べ、これが本音のようです。

◆非常勤講師の賃上げも低調なまま

今年度の春闘により昌平学園では16年ぶりに「1パーセント」の賃上げが行われました。昌平にとっては画期的なことではありますが、物価上昇は10パーセントであることを考えると実質的には目減りです。

非常勤講師の賃金に関してはコマ単価一律30円の賃上げにとどまりました。

昌平学園の非常勤講師の給与は就業規定で3段階にランク付けさられていますが、教員としての経験年数などによる具体的な基準は何も定められておらず、校長等の「好き嫌い」で決められる恣意的なものと言わざるを得ません。

学園側としては「給与(お金)で決めるなら学校の先生にはならない。自分の教育論や相性など様々な要素で昌平学園を選んでもらっている」と述べていましたが、それでは「やりがい搾取」ではないでしょうか。

また、学園は賃上げの必要性を痛切に感じているとも述べていましたが、それであれば口だけでなく皆が納得する形で実行に移すべきです。

教員も労働者であり生活があることを忘れないでもらいたいです。

◆教員の労働環境、生徒の教育環境を一緒に変えていきましょう

 私たち私学教員ユニオンでは、教員の労働環境・生徒への教育環境を変えたいという教員を募集しています。私たちは、学校や雇用形態の垣根を越えて、教育業界全体を変えるために活動しています。互いの学校の問題改善を互いに支援して取り組んでいます。
 
 また、私学教員の方以外でも、教員の働き方や生徒への教育環境の問題に関心を持ち、活動に関わってみたいという学生・教員のボランティアの方も募集しております。興味を持った方は下記の窓口までお気軽にご連絡ください。

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