日本保育サービスに生活保護水準の賃金をやめてほしい

私たちは、保育関連のいろいろな会社で働く労働者で組織する介護保育ユニオンです。

 私たちは現在、日本保育サービスが運営する保育園で、非正規雇用の給食調理員として働く組合員の賃上げを時給1500円以上にするよう要求して、会社と交渉中です。先日第4回目の団体交渉を行いました。

〇「子どもの貧困に親の低賃金が関係あるかわからない」(会社)

日本保育サービスはCSRの一環として、困難な生活環境の子どもたちを支援しています。https://www.nihonhoiku.co.jp/company/csr.html

子ども貧困の原因の一つが、大人の低い賃金水準があります。それなのに組合員の調理師の賃金は生活保護水準程度の低賃金。私たちはその矛盾をどう考えるか問いました。

しかし、会社の回答は私たちの期待を大きく裏切りました。それは次のような趣旨のことでした。

子どもが貧困世帯に陥らないためには、大人が低い賃金水準で雇用される問題を取り除かなくてはいけないかどうかは当社として判断することはできません

“子どもが困難な生活環境に置かれてしまう原因は、親や家族の経済状況・就労とは関係しているか”については現時点では考えてない。

会社は誤魔化すのに精一杯で無責任な発言に憤りをおぼえます。

「CSRとして困難な生活環境の子どもたちを支援をしてる」と宣伝している株式会社日本保育サービスには時給1020円という低賃金で働く労働者がいます。正社員だけでなく、低賃金で働く生活が困難な労働者も、会社が運営する保育園を支えているのです。

今後もCSRとして貧困支援に取り組むのなら、労働者の賃金が20年以上減少し続けていること、親の雇用・賃金が子どもに大きな影響を及ぼすことを知った上で真剣に取り組んでほしいものです。

〇「労働者側が雇用を希望するなら、生活保護水準の賃金で雇っても構わない」(会社)

 次に私たちが議題に挙げたのは、生活保護水準の低賃金です。子どもの貧困支援をやっていながら自分たちの雇用する労働者の賃金が生活保護水準では話になりません。
 このことを問題に思わないのか、という私たちの質問に対する答えは驚くべきものでした。
 会社は、私たちが会社と契約するときに低賃金の契約書に合意しているのだから、低賃金で生活できる条件をしっかり整えているはず、というのです。
 誰が低賃金で働きたいと思って仕事を選んでいるのでしょう。低賃金でも働かなければ生きていけないから、仕方なく低賃金で我慢しているに決まっているではないですか。
 会社の主張が正しいなら、この社会から貧困問題は消えてなくなります。
 私たちのことをまるであざけるような会社の態度に腹が立ちます。

〇「未払い賃金がある」という声は周知しないのですか?
 団体交渉を経て現在は1分単位で賃金が支払われるタイムカードの書き方を教わりましたが、過去の未払い賃金は、いまだに払われていません。
 なぜなら会社が私たち労働組合との交渉経緯について公表しないことを、未払い賃金を支払う条件にしているからです。
「未払い賃金があるのではないか」と声が寄せられた経緯・背景を隠したままでは、また同じような状況で未払い賃金が発生してしまいます。
 今回の団交の中でも「交渉の経緯について守秘義務を守るうえで、解決金としてならば(未払い賃金を)払う」と会社は回答しています。
株式会社日本保育サービスが、1分単位で賃金が支払われるタイムカードの書き方を周知していれば、組合員の未払い賃金は発生しなかったはずです。
 会社の落ち度により発生した未払い賃金を「解決金」と呼ぶのはやめてほしいです。
 私たち労働組合は、未払い賃金の支払いと、未払い賃金があったことを会社全体に周知することを株式会社日本保育サービスに要求します。

〇皆さん、ユニオンで一緒に闘いましょう
 日本保育サービスは、保育士や調理師の賃金を低賃金にしているのは、保育の質を求めるのではなく、保育を金儲けの道具に使っているからに他ならないと私たちは考えます。
 このような状況を変える力がユニオンにはあります。すこしでもこのブログを読んで思うところがある方は、ぜひご連絡ください。一緒に闘いましょう。

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