視覚化する大切さ〈2023北大数学大問4〉

友達と北大の問題を解いた
その時に使った方法を紹介する

問題

サイコロをn回投げ、それぞれの出た目をaₙとし次の式の値を考える

|1-a₁|+|a₁-a₂|+…+|aₙ₋₁-aₙ|+|aₙ-6|

この式が取りうる最小値はいくつか?
また、どんな時に最小になるか?

絶対値は0からの距離
プラスの数はそのまま、マイナスの数はマイナスをプラスに変える

|2|=2
|-2|=2

推論

最初からn個で考えるのはむずいから、n=1,2のパターンで試してみる

n=1なら

|1-a₁|+|a₁-6|

a₁に1から6を入れてみると

|1-1|+|1-6|=5
|1-2|+|2-6|=5
|1-3|+|3-6|=5

全部5になった

n=2なら

|1-a₁|+|a₁-a₂|+|a₂-6|

a₁,a₂にいろんな値を入れてみる

a₁=1,a₂=1
|1-1|+|1-1|+|1-6|=5

a₁=2,a₂=3
|1-2|+|2-3|+|3-6|=5

a₁=5,a₂=2
|1-5|+|5-2|+|2-6|=11

色々やってみると、5が最小になりそう

まだこれは推論でしかないので、証明しなければいけない

証明

さて、ここで絶対値の意味について考える

|2-5|=|-3|
      =3

となり、この3はどんな意味を持つのか?

それは数直線上での2と5の間の距離と言える

つまり、絶対値とは数直線上での2つの数の間の距離である

それを踏まえて問題を見てみると

|1-a₁|+|a₁-a₂|+…+|aₙ₋₁-aₙ|+|aₙ-6|

この式は

1とa₁の距離
+a₁とa₂の距離
+…
+aₙ₋₁とaₙの距離
+aₙと6の距離

と解釈できる
さらにこれは

数直線上で
1からa₁に動き
a₁からa₂に動き

aₙ₋₁からaₙに動き
aₙから6に動いたときの
総移動距離

と言える

1→5→2→6と進む

ではこの総移動距離が1番小さくなるのはどんな時か?

引き返すことなく1から6に動いた場合だ

n=2でa₁=5,a₂=2としたとき
5にならなかった理由は
5から2に引き返していて
その分移動距離が長くなったから

1から6に引き返すことなく進むためには
a₁≦a₂≦…≦aₙ₋₁≦aₙ
となっていれば良い

そして、そのときの総移動距離はもちろん5

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