【集合論#2】集合の演算

和集合

AとBの集合があった時
AとBのどちらかの元になっているものを集めた集合

A∪Bと書く
AとBの和集合
AまたはB
AカップB

例えば
Aを春に咲く花(桜、チューリップ、ヒヤシンスなど)
Bを木に咲く花(桜、金木犀、柊など)
とした時

A∪Bの元は
春に木に咲く花である桜はもちろん
春に咲くけど木に咲かない花(チューリップなど)や
春に咲かないけど木に咲く花(柊など)
これら全てになる

今はAとBが重なるように取ってきたが、そうでなくてもいい

Aが春に咲く花
Bが夏に咲く花
A∪Bは春か夏に咲く花

数学でいうと
Aを2の倍数(2,4,6,8,…)
Bを3の倍数としたら(3,6,9,12,…)

A∪Bの元は
2,3,4,6,8,9,10,12,…
となる

(x∈A∪B)⇔(x∈Aまたはx∈B)

明らかに
(A∪B)⊃A
(A∪B)⊃B
この2つが成り立つ

共通部分

今度は2つの集合の共通している部分

A∩Bと書く
AとBの共通部分
AかつB
AキャップB

Aを春に咲く花(桜、チューリップ、ヒヤシンスなど)
Bを木に咲く花(桜、金木犀、柊など)
とした時

A∩Bは春に木に咲く花になる
つまり、今例に出した中だと桜だけ

これもAとBが重なってなくてもいいが
重なってなければ共通してるとこがないので
元が1つもない空集合となる(後述)

Aが2の倍数
Bが3の倍数なら
A∩Bは6の倍数

(x∈A∩B)⇔(x∈Aかつx∈B)

明らかに
A⊃(A∩B)
B⊃(A∩B)
が成り立つ

差集合

和集合が集合の足し算なら
差集合は集合の引き算です

A-BまたはA\Bと書く

例の如く
Aを春に咲く花(桜、チューリップ、ヒヤシンスなど)
Bを木に咲く花(桜、金木犀、柊など)
とすると

A-Bは春に咲くけど木に咲かない花
チューリップ、ヒヤシンスなど

ここで、Bは必ずしもAの部分集合である必要はない
一般に
A-B=A-(A∩B)
とBの中でもAと重なっているとこを除く

(x∈A\B)⇔xはBの元ではない

数学ではよく0を除く時にこれを使う
1/xを考えるとき
分母は0にしてはいけないので
0以外の実数にする
それを
x∈ℝ\{0}
と書く

空集合

A-Aと自分自身の差集合を考えると
元が1つもない集合ができる
(共通部分の時にも出てきた)

それを空集合という
φと書く
(本当はスラッシュドオーだけどよくファイで代用される)

A∪φ=A
A∩φ=φ
A-φ=A

補集合

A⊃Bのとき
A-BをBのAによる補集合という

Bᶜと書く
Bの補集合

A⊃Bのとき
B∪Bᶜ=A
B∩Aᶜ=φ

x∈A⇔x∈Bまたはx∈Bᶜ

Aᶜ=φ
φᶜ=A

Bᶜᶜ=B

これはよく「じゃないもの」で使う

例えば
サイコロを3回振って少なくとも1回6の目が出る確率
これは、サイコロを3回投げて1回も6が出ないの補集合になる

6が出る回数は0回、1回、2回、3回のどれか
少なくとも1回出るのは、1回、2回、3回出るもの
1回も出ないものと合わせて、ちょうど全パターンになる

じゃないものを考えた方がわかりやすい時もある

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