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5種類の平行多面体

菱形12面体は,ケプラーが見つけた周期的に空間を埋めることができる多面体です.ケプラーのエッセイ「六角形の雪片について」(1611年)は「宇宙の調和」の最初の幾何学的章とともに,結晶学発展の出発点と言われます.

フェドロフ(1853-1919)
1885年に出版した「図形研究の始まり」は,結晶学における彼の有名な研究の始まりです.この本で,周期的に空間を埋める平行多面体をリストアップしました.

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立方体,正六角柱,菱形十二面体,細長い菱形十二面体,切頂八面体です.最初の2つはすでに知られていますが,ケプラーは3番目を見つけました.

■最後の1つについて以下で取り上げましょう.

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切頂8面体というのは,正8面体のとがった頂点を切って作った多面体です.この多面体は2巣類の面でできています.始めの正8面体の面(水色)と切り口の面(立方体の面で黄色)とで,6・8面体ともケルビン立体とも呼ばれることがあります.この多面体を平行な反対側の面を合わせて積み上げると,隙間なく空間が充填できます.周期的に配列した様子は立方体心格子になります.

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上の図は,切頂される初めの多面体を立方体として,切頂の深さを変えて最終的に6・8面体と同じ切頂6面体(見方によっては切頂8面体)ができるまでのチャートです.

(美しい幾何学,p.62,63より)



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