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泥棒と盗賊.特性の重ね合わせ

「Ali Baba and the Forty Thieves」を「アリババと40人のどろぼう」と翻訳すると,何か違和感がある.やはり,ここは「盗賊」でなければならない.
こどもに分かり易くしたいのは分かるのだが,とても違和感がある.
(表紙の絵はwikiより借用)

泥棒と盗賊の違いについて,次のサイトで質問されています.

40人の泥棒が徒党を組めば,どうしても,盗賊でなければならない.たしかに,「賊」には複数のイメージがある.しかし,これは,それほど厳密ではない.一人の山賊ということもある.「盗賊」は団を組むだけでなく,さらに別の特徴も持つ.付加される特徴は「武装」であろう.泥棒が単に40人集まっただけではない違いがここにある.

一方,「義賊」という言葉がある.他えば,鼠小僧,ロビン・フッドなどがその例で,この場合の「賊」は,単数で使われる.さらに,この場合は「武装」していないかも知れない.「武装」でなく「闘争」を,付加すべき特徴にするのは良いかもしれない.義賊の「闘争」の相手は不正な権力である.

定義すべき対象概念を明確化するには,様々な次元から見た(異質な)「特徴」を重ね合わせ,その性格を絞り込む.集合論でいう,共通部分(交叉)が絞り込んだ結果になる.(参照:特性の重ね合わせの項)

始めの漠然とした大きな対象物に,対称が持つべき特徴を次々に重ね合わせていき,すべての特徴を持つものを結果とすると,これは始めの集合の共通部分(交叉集合)である.
盗賊を特徴づける色々な特徴集団を集めていく場合には,盗賊の特徴を1つでも持つ集団(合併集合)が結果として得られる.この場合は,盗賊も泥棒も義賊も同じ集団に入る.

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