見出し画像

同志社中学校数学博物館Do★Math


■数学を体験,数学祭り

多くの人々が数学に共感するようなイベントを数学月間では応援しています.講演会,講習会,ワークショップ,その活動形態は様々ありますが,子供たちが楽しめて数学感覚が身に着く「数学まつり(フェスティバル)」は,英国のMMPでも米国のMAMでも,とっとりサイエンスワールドでも大変人気があります.学校カリキュラムの補完ではなく,豊かな数学力を伸ばす数学サークル地域活動,あるいは,学校の昼休にみんなが参加できる数学ゲームなどは,米国で効果を上げています.

国立数学博物館MoMath(National Museum of Maths)は,米国唯一の数学博物館で,ニューヨークのマディソン・スクエアに,2012年12月15日オープンしました.ここには30以上の対話型の展示があります.東京でもMoMathのような常設の数学展示は,科学技術館,リスーピア,東京理科大「数学体験館」(2013年オープン)などにあります.

■同志社中学校数学博物館Do★Mathは,2016年6月にオープンしました.キャンバス移転の2010年に,全教科が専門教室をもつ方式が採用され,数学科も6つの教室(数学1,2,3にそれぞれの専用教室)と,メディアスペース(博物館展示)があります.博物館には,「見る読むゾーン」,「触れる体験ゾーン」などがあり,特に,「触れる体験」というのは,この時期最も重要なことだと思います.ピタゴラスの定理,自然数の2乗和,3乗和の公式,などが図形で体験できるパズル,正4面体の2分割,ソーマキューブ[体積3×3×3のキューブを7つのパーツ(体積4のパーツ6個と体積3のパーツ1個)で組み立てる],などの手で触れる立体パズル,誕生日当てゲーム[2進数の利用],ハノイの塔など,さまざまあります.展示物には,教職員が製作したものや,生徒が自由研究で製作したものもあります.シェルピンスキーのフラクタル模型(写真)は,授業で生徒たちが牛乳パックを用いて1辺14cmの正4面体を1つづつ製作したものを合体して完成しました.

画像1

米国のMoMathや,数学サークル活動を思わせるこのような意欲的な活動が,単独の学校の教育の場で実現しました.Do★Mathは,授業で使用するだけでなく,生徒が昼休みなどに親しむこともできます.さらに,一般市民の見学も受け付けています.手で体験し体が吸収した感覚は,数学や科学を学ぶ基礎になるのです.

今年の数学月間懇話会(2020.7.24)はzoomで実施され,Do★Mathを園田毅先生(同志社中)にご案内いただきました.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?