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数学月間第2週目

数学月間は,毎年いつも暑い最中ですが,今年は,特に,コロナもオリンピックも重なり鬱陶しい限りです.
7月22日(数学月間の初日)の第1週の講演は40人の参加で盛況でした.ZOOMではいつも何かしらのトラブルがあるので大変バタバタし疲れました.
講演会の配布資料は,数学月間のwebサイトの「SGK通信☆会員交流広場」に置きました.講演会参加者,および,数学月間の会会員限定で,ダウンロードできます.一方,講演ビデオはyoutubeに公開しています(webサイトのyoutubeチャンネルリンクからお入りください).

◆数学月間第2週の講演7/31のお知らせです.
(8月には数学月間後半の講演2件があります)
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「新型コロナウイルス感染症と統計数理」,土谷隆(政策研究大学院大学)
  2021年7月31日, 03:00~16:30 PM,無料
参加登録はお急ぎください http://sgk2005.saloon.jpでできます.
登録されると,ZOOMのURLをお知らせします.

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ZOOMはとても便利なのですが,慣れてくると集会と違い欠点やつまらなさも気になってきます.
そこで,数学月間の会SGKのバーチャル・ルーム(作製:ミノカズヤさん)を作りました.31日もバーチャル・ルームを体験できるようにします.

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◆さて,皆様お変わりありませんか.当初からわかっていたことですが,オリンピックの影響でコロナの感染拡大は加速しています.
8月末発行の「数学文化」に,私はPCR検査の統計の考え方について書きました.局所的な場面でいくら数学を厳密に使っても,全体のなかで論理的な判断ができなければ,数学バカです.誤った主張に数学が利用されることは最悪です.
◆PCR検査の感度と特異度は,実は,遥かに1に近い確率ですので,偽陰性や偽陽性を理由に検査数をコントロールする理由は成り立ちません.
検査を拡大し有病者を発見し早期隔離しましょう(感染から5日目頃が最もウイルスを放出し,有病者の半減期は10日位です).
私が,数学文化の記事を書きあげた5月15日時点では日本の陽性率は7%でしたが,最近の変動の勾配から見ると10%を遥かに越えているようです.
検査数を抑制しているために陽性者数のオーバーフローが起きている証拠にもなるでしょう.
◆COVID-19パンデミックは,実効再生産数を1より低下させると鎮まります.この対策は,次の3つの数値を下げることです;
1.感染者が感染力を持つ期間,
2.感染者が接触する人数,
3.感染者との接触で感染する確率.

そして,これらそれぞれに対する施策は以下のようです;
1.感染者を早期に発見し隔離する.このためにPCR検査の拡充が必要.
2.効果的なロックダウンの期間,地域,方法を,シミュレーションで予測し戦略的に介入する.
3.ワクチン接種で,感染感受性のある人の割合を減らす.
この3つの施策がどれ1つとして満足に実施されていないのは,残念なことです.しかも,ワクチンも満足に行き渡らないのに,ワクチンパスポートの話が出て来るのは全くばかげたことです.

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