なかの数学まつり(第2回)正多面体を作ろう
小梁修(OSA工房)正多面体を作ろう.体積はいくらか?
11月26日(土)1時限目 小中学生
2時限目 高校生大人
1時限目
◆5角正12面体の分割モデルを作る.
この分割を利用して5角正12面体の体積を理解する。1辺の長さ1の正5角形の面で囲まれた正12面体の体積はいくらですか?
正12面体分割模型セット使用
◆正12面体の分割
2時限目
◆小星型12面体を作る
6枚のパーツ(6つとも全く同じ変形星型)がある.中心の正5角形の外側にある5つの部分は,それぞれ正5角錐になる部分であり,3種類の糊代の形がある.小さな点で,・,・・,・・・のように表記されているので,各頂点に、この3種類が集まるように組み立てればできる.
小星型12面体模型セット使用
◆小星型12面体に関する数学的感想(谷)
小星型12面体は,正12面体をコアにして,各面に正5角錐を取り付け,正5角錐の側面がコアの正12面体の面と同一の平面上にある形です.
⇒正12面体と小星型12面体の対称性は同じ.
正5角形の穴のある星型平面[5/2角形]12枚を各頂点で5枚づつ組み合わせてできる形でもあります[シュレーフリ記号で{5/2,5}].
小星型12面体{5/2,5}の面を穴の開いた星型平面と見ると,面の数12(正12面体の面と同じ),頂点の数12(凹部の頂点は稜の交差点にすぎない),稜の数30(正12面体と同じ)で,オイラーの多面体定理はF+V-E=-6となる.
⇒穴の4つ空いたトーラスと同じ位相の面に作られた立体.
小梁の模型では,同一な型の6枚のパーツ(星型の変形)を,頂点で組み合わせることでできます.従って,内部にあるコア(正12面体)の面12のうちの内6つは穴のまま残されています.
変形星型パーツを作ったところが小梁の模型のミソです.
⇒パーツの数を6枚にした.
小梁の模型を下図のように置くと,上下の6つの正5角錐の底にあるべきコア正12面体の面は空で穴になっている.
■完成した小星型12面体と正12面体.両者の対称性は同じ
■数学まつり教室風景