フィボナッチ数列の演習2

今回の例題は,表現が違うだけで,前回の「フィボナッチ数列の演習」
と同じ内容の問題です.

正の整数の集合$${S_{n}={\{}1,2, \ldots ,n{\}}}$$の部分集合で,連続する整数を含まない集合の数$${a_{n}}$$を求めなさい.ただし,どの集合にも空集合$${ \phi }$$は含まれ,空集合は1つと数えます.

<この例題は,Fibanacci and Lucas Numbers with Applications, Thomas Koshyより引用>

(実験)

$${n=0,1,2,3,4}$$の場合

$${a_{n}}$$は$${a_{0}=1, a_{1}=2}$$より始まるフィボナッチ数列$${a_{n}=a_{n-1}+a_{n-2}}$$になることが予想できる.フィボナッチ数列の定義式は再帰的な関係式であるので,数学的帰納法に類似している.

$${A}$$を連続する整数を含まない$${S_{n}}$$の任意の部分集合とします.
2つの場合に分けて考察しましょう.

(1)$${n \in A}$$のとき,すなわち,$${n}$$が$${A}$$に含まれている場合には,$${n-1 \notin A}$$($${A}$$は$${n-1}$$を含むことができない).従って,$${A}$$は連続する整数を含まない集合$${S_{n-2}}$$の要素に$${n}$$を追加したものになる.
定義により,$${S_{n-2}}$$の要素の数は$${a_{n-2}}$$であるので,$${S_{n}}$$のうちで(1)の場合の要素の数は$${a_{n-2}}$$である.

(2)$${n \notin A}$$のとき,すなわち,$${n}$$が$${A}$$に含まれていない場合の$${S_{n}}$$の要素数は,$${S_{n-1}}$$と一致し,定義により$${a_{n-1}}$$である.

これらの2つの場合は,互いに排他的であるので,加算原理により,
$${a_{n}=a_{n-1}+a_{n-2}}$$が得られる.

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◆前回の練習問題の解答は,$${a_{n}/2^{n}}$$です.


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