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電気冷蔵庫のなかった時代

冷蔵庫が納品されました.12月に故障して修理はできない(16年以上無故障でよく働きました,冷媒ガスを補給すれば復活すると思いますが,冷蔵庫はエアコンのように冷媒ガスの補給はやりません)ので,買い替えの機種を決め発注し,足掛け二年かかりました.年末と正月を挟んで,1カ月ちょっとの冷蔵庫のない生活をしました.いまや,冷蔵庫の一般化家庭への普及率は100%です.電気冷蔵庫のなかった子供時代の生活を想い出しました.

さて,買い替えの機種を選ぶのに一苦労しました.性能や消費電力,価格,デザインの他に,冷蔵庫の場合は設置スペースの問題が大きいのです.

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左は,故障し廃棄した冷蔵庫(幅広×奥行きが浅い)で,我が家のスペースにぴったり入っていました.右は,置き換え後の冷蔵庫(幅が狭くx奥行きが深い).置き換え後は,横に25cmくらいスペースが余り,前に15cmくらい飛び出します.前に15cmほど出ると本当は困るのですが,これが妥協できるぎりぎりです.なぜ昔のような団地サイズの冷蔵庫の選択肢がなくなったかというと,東日本大震災で浅いものは転倒したので製造中止になったと聞きました(真偽のほどはわかりません).我が家では天井に転倒防止の桟をつけますので,浅いサイズで問題はないのです.部屋のレイアウトは改造できないので,昔のサイズで置き換えができないと困る人も多いと思います.

さて,冬場とはいえ,1カ月の冷蔵庫のない生活をしたので,冷蔵庫のない昔のことを思い出しました.電気冷蔵庫の一般家庭への普及は昭和36年以降でしょう.それまでは電気冷蔵庫は非常に高価でした.電気冷蔵庫の普及以前は,氷を入れる木製の冷蔵庫が使われましたが,お店で見かけるくらいです.一般家庭で持っているのはお屋敷くらいで珍しいものでした.

子供の頃愛読した,「よっちゃんの勉強漫画」秋玲二著(全6巻)では,第6巻(昭和26年12月発行)が最新科学編で,そのp.39に電気冷蔵庫があります.以下に引用します.

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この昭和26年時点の最新科学に取り上げられるほどで,昭和30年初めは目にしたこともない電化商品でした.普及が始まるのはその後10年がたった36年頃からでした.
表紙の写真は,映画3丁目の夕日からで,昭和33年に鈴木オートに電気冷蔵庫が入ったころです.裏庭に氷冷蔵庫が出されているのを毎日配達に来ていた氷やが塀越しに見てため息をして去ります.ランプが電灯に変わったときも同じように生活が変わりました.この時代に,白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫が,三種の神器と呼ばれて普及して行きました.私たちは,これらがない時代,ある時代の両方を経験をした世代です.電話の普及はもう少し早かったですが,近所の電話のあるお家の人が,そこにかかってきた電話を呼びに来てくれました.今考えると,皆さん大変親切なことです.私は,自分で初めて公衆電話から電話をかけたときの緊張を今でもよく覚えています.

「よっちゃんの勉強漫画」の第6巻,最新科学編(昭和26年.12月)で取り上げられている他の物を列挙すると,ヘリコプター,トロリーバス,超音速ジェット機,真空掃除機,蛍光ランプ,電気洗濯機,無人機,テレビジョン,などです.テレビジョン,電気掃除機,電気洗濯機,蛍光灯なども同じころに一般家庭に普及していきました.同じ第6巻,最新科学編に「原子力時代がくれば」という項目がありますが,これは,実現しないバラ色の夢物語にすぎません.


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