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対称な直線束と多面体

単純形
球面上の任意の点は,球の中心とその点を結ぶ半径ベクトルによって一意に決定されます.
単純または複合の正則点系に対応して,単純または複合の線分束があります.
詳細な解説ーーーーー
ある対称類(点群)と元の点を与えたときに,その点群の総ての対称操作をその点に作用させ生じた点の集合を「正則点系」といいます.元の点の位置により,得られる正則点系は異なります.一つ一つの正則点系は単純系ですが,それらの組み合わせは複合系です.
中心と正則点系の点を結んで生じたものが線分束です.
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このような束は,例えば,対称軸や座標軸などの組み合わせを表現するのに非常に便利です.線分束から,対応する半径ベクトルの位置で球に接する平面で囲まれた対称多面体を形作ります.単純系の線分束には,単純形と呼ばれる多面体が対応します(図73).一方,複合系の線分束には単純形の組み合わせが対応します.
単純形では,すべての面が同価です.単純形を構成する面が,ただ一つの面(monohedron),平行な2面(pinacoid),交差する2面(dihedron)などいろいろあります.

単純形がプリズムと呼ばれるのは,特定の対称軸に平行な面だけで構成され,その軸に垂直な断面上に構成された対称多面体です.

ピラミッドとは,すべての面が1点で交差しているもので,プリズムやピラミッドは底面を持たないので,先に述べた1つまたは2つの面からなる単純形と合わせて,開放型に分類される.
閉鎖型としては,例えば,立方体,八面体,双角錐(バイピラミッド)などがあります.単純形の理論は,結晶学の講義で詳しく説明されます.

単純形の組み合わせの例では,立方体の8つの頂点を8面体の平面で切頂して得られる多面体(立方8面体)をイメージすると理解できるでしょう.自然界,あるいは実験室で溶液から結晶化してできる結晶多面体は ,通常,単純形,または,あまり複雑でない単純形の組み合わせのようです:メルト(融液)からの結晶化では,結晶は曲面を持つことがあります.

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