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スガハラで働く#07|職人を支える職人
こんにちは。いや、こんばんは。もしかしたら、おはようございます。さまざまな時間の合間に、読んでもらえたらと思います、Sghr / スガハラの公式note『スガハラで働く』。今回は、スガハラで働くガラス職人以外の職人、いわゆる職人を支える職人を紹介したいと思います。普段、なかなか表舞台に出ることのない彼らですが、スガハラのものづくりには不可欠な存在です。では、どうぞご覧ください。
ハンドメイドガラスのSghr / スガハラの公式note『スガハラで働く』
暮らしを彩る、暮らしに寄り添うガラス製品を、熟練した職人たちの手によって一つ一つ大切に作っています。すべての製品が生まれる工房は、千葉県の九十九里にあります。海風が心地よく、自然豊かな場所です。noteでは『スガハラで働く』と題して、おもにスガハラで働く人やことを紹介していきます。
型を作る職人
ガラス職人による製造の工程、高温で溶けているガラスのタネを巻き、成形をしていくという前後にも、ものづくりの一貫としての仕事があります。そういったところの技術が一見目立たないように見えて、とても重要だったりします。まずはガラス製造の前の工程のひとつ、吹き型を作る仕事について紹介します。
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スガハラの多くの製品は、製品それぞれの型にガラスを吹き込み作られます。つまりは型の形を、高温状態にある柔らかなガラスが写しとるのです。なので、成形するにあたりその型がとても重要なのです。この型は外注すると費用も時間もかかってしまうのですが、スガハラでは自社でこの型を作っています。これが、スガハラの開発力を支える大きな理由のひとつでもあるのです。現在、型を作る職人として活躍するのは、外崎さん。外崎さんは型作りのベテランで、大きな掘削機を操り、経験に基づく手の感覚でミリ単位の誤差も許されない型を作り上げます。一方、外崎さんとは対照的にコンピューターにデータを入力をし、モデリングマシンで型を作るのは大木さんです。
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この型を作る工房は本社敷地内にありますが、はじめて足を踏み入れた時に、すごく印象的だったのを覚えています。ものづくりの痕跡がそこかしこにあり、粉塵によってさまざまな道具が黒光りしていて。まるで、下町の町工場のよう。いやでも、実際にやっている仕事はそうなんだと思います。そして工場長(勝手に)の外崎さんは、いつもユーモアを飛ばしていて、どの言葉も人生の示唆に富んでいます。そんな外崎さんに、愛のあるちょっかいを出されながら、はははっと微笑む大木さん。
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型作りはまず、職人のデザインがあり、そこから型の設計図を作ります。「頭だけで考えたデザインてのは大抵良くないし、上手く型も作れないんだよ。こう、すっと素直に作られたものって言うのかな、そういうものは大抵上手くいくんだ」という考えの外崎さん。でもどこか、腑に落ちるところがあります。型ができあがってからも終わりではなくて、実際に吹いてみて調子が悪いとか、もうちょっと改良して欲しいという職人の要望に付き合い、改良を重ねていきます。作る型の形状によって外崎さんによる職人的な制作、大木さんのオペレートによるマシンでの制作を使い分けています。
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加工する職人
つづいて、ガラス職人による製造工程の後の仕事です。ガラスは吹いて成形しただけでは製品にはなりません。まず、吹き竿近くの余分な部分を切断し、切りっぱなしではもちろん危ないので、切断口をバーナーで焼いて滑らかにします。その後、洗浄や検品などの複数の工程があり、はじめて製品になっていきます。その一連の仕事を、スガハラでは加工班という部署が担います。今回は加工班で仕事をする、浅野さんを紹介します。
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浅野さんが担当するのは、吹いた後のガラスの吹き竿近くの余分な部分を切断する工程です。一日に何百個(確認)もの製品を、規定の仕様通りに正確に作業していきます。スガハラでは、こういった工程も機械ではなく、人の手で行います。つまりそれぞれの部署で、それぞれの技術を持った職人がいるのです。それにしても浅野さんの作業が早過ぎて、なかなか写真に収めることができません。
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ここは小さな作業スペースですが、浅野さんの全神経がその場所に行き届いているように感じました。だからこそ、一見単純作業に見えますが、見ていて飽きません。繰り返し同じことをやる、同じことができるというのは職人の能力として重要なことだと思いますが、そういったことが浅野さんの仕事には表れていました。そしてその繰り返しのなかに微妙な差異としての誤差がでてきて、それに対して敏感になれるから微調整が可能になってくる。そういうことなのかもしれません。型の制作の外崎さんと同じく、浅野さんも微妙な調整を繰り返すそうです。
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スガハラでは、今回紹介した外崎さん、大木さん、浅野さんのように職人を支える職人がいたる部署で活躍しています。例えば、原料を釜に投入して管理する職人もいますし、梱包の箱を作る職人もいます。そういった意味で、スガハラのものづくりには一貫して、手しごとがあるのです。
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