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行列中華の赤いチャーハン

いつもならんでるな。
意味もなくとぼとぼ歩く帰り道。古びた町中華に行列ができている。行列はそこら中にあるのだが「いつみても」というのが異質で、なんとなく視界に入る。近頃は外食することもままならないので立ち止まることもない。
通り過ぎたあと調べてはみるが、グルメサイトには”いわずとしれた名店!”とか”これを食べなきゃ嘘だ!”みたいなやや「うっ」となる文句がやんやと踊っていて、この店が世の中的にポジティブな存在であることは伝わってきた。
しかしなぜ人が並ぶのかはだれも説明してくれない。もうすこし細かく調べてみればわかるのかもしれないがそこまでの興味もない。小銭が入ったら比較的すいているときを見計らって入ってみようと思いながら結局叶わずにいる。

気にしてないことはない。むしろもはや気になっている。
しかしまあ、並んでる人がほんものなのかわからないし、動いているかちゃんと確認はしていない。ロボとかAl(”l”は大文字のアイじゃなくて小文字のエルだけど、はたから見てもわからない)のスーパーテクノロジーで造られた逆仮想現実行列客(現実)かもしれない。毎日違う人なのか、実は数人の強烈な並びファンの同じ人たちが入店せずにずっと立っているだけかもしれない。しかし聞くのも失礼だ。尋ね方も繊細にならざるを得ない。

ちなみに大文字のAに小文字のlはアルミニウムの元素記号なので、家で紅茶をいれる時間まではないけれど…という方も、街中で”Al”と”AI”を見つけたら「あるみとえーあいどっちのことかなぁ」と思いふける時間を取り入れると人生にゆとりが生まれるかもしれません。
ここだけの話、見分け方のヒントはAIの高さが一緒ならそれはきっとAIでしょう。

そのお店は赤いチャーハンがでてきて、その昔、今は有名なミュージシャンがバイトしていたことで有名らしいです。偶然最近行った先輩が教えてくれました。ネットも便利だけど、人から教わると記憶に残っていいなと思います。あと銀座線終電何時なんて聞かれても飛び乗るころには時間なんて気にしてないので分かりません。

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