いつか

エレベーターに乗る。
居合わせたお父さんと娘さん。
娘さんは中学生になったばかりか。
エレベーターの中は無言。
そして無言のまま二人は降りて行った。

お父さん、かけっこしようよ。
お父さん、蓋開けてよ。
お父さん、誰誰くんが床にお絵描きしてたんだよ。
二歳の娘は今は私に話しかけてくれる。

いつかこの光景が思い出となり
娘が成長して
無言の時間が増えていくことを想像し
ヒリついた。

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