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ボードゲーム「タテルト」の道のり。新作はもう出せないと思ってた

2年ぶりの新作

あなごです。
眠らぬ金山から約2年、ゲームマーケット2019秋でやっと新作を出せることになりました。

タテルト」です。よろしくおねがいします。

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タテルトを作るまで2年間、何をしていたか書いていこうと思います。

眠らぬ金山の頒布前

 前作の眠らぬ金山ゲームマーケット2017秋にて頒布しました。眠らぬ金山は2017年の2月から製作を始めていて、4月くらいにはほとんど今の形となるルールが出来上がっていました。
 あとはイラストの出来あがりを待つのみだったので、早い段階で二作目に取り掛かりました。

次は4人プレイだ

 眠らぬ金山は2人用だったため、多人数でやりたいという要望をいくつかいただきました。ただ、眠らぬ金山をそのまま複数人プレイにすると着地点がぶれそうだったので、別のゲームで複数人、4人プレイできるように目指しました。

 以前買ったアンドールが面白かったので、そこから着想を得て「勇者の語り部」という、勇者の誕生から結末までをカードを使って物語形式で組み立るゲームを考えました。プレイヤーはストーリーが矛盾しないように1枚ずつカードを出していき、勇者が成長したり負傷したりなどを繰り返してドラゴン討伐を目指すという協力ゲームです。
 ゲームとしては悪くないんですがカードが運任せなのと、カードイラストが異常に多くなるのでアートワークを担当しているじみさん1人だと無理ということになり、一旦断念しました。これはまた練り直して作りたいですね。

これはいけるのでは?

 この時点で2017年8月、やっとイラストが徐々に完成し始めた頃です。そんな中また新たなゲームを作り始めました。

 テーマはパティシエ。もちろん4人プレイ。

 「パティスリー」と名付けたこのゲームは、市場にある材料を買い付けてスイーツを作りながらお金を稼ぎ、店舗拡大のために人を雇ったり、融資を受けたり…など、いろいろな条件を満たしてスイーツ店の経営をしていくゲームでした。

 内容物は、オリジナル紙幣、スイーツカード、得点ボード、材料トークンなど盛り盛りで、テストプレイも数十回してなかなかの手応え。これはいけるかもと思っていました。
 …が、あるプレイをされるとゲームが破壊されてしまう、しかしそれを回避しようとするとゲームの面白さが半減、という難しい問題が出てきてしまいました。また、内容が複雑でスイーツ作りを楽しめないなどというかねてからの懸念もあり、こちらも一旦断念しました。

 なのでスイーツをテーマにしている新作ゲームをみると、あの苦労を思い出すとともに、また改めて作りたいなぁと思ってしまいます。

 ただ、このゲームのおかげでカンノーロ、サントノーレ、ピュイ・ダムール…などメジャーではないけど美味しいスイーツの名前は覚えられたので良しとしました。

色んなことを試した

 そこからは全然思い浮かばない日が続きます。ただ、何かしないと何も生まれないという気持ちはあったので、ボードゲームを買ってみたり、プラネタリウムや映画館に行ってみたり、宇宙について調べてみたり…

 でも何も思い浮かばない。

 趣味なんだから力抜いて…といえばそうなんですが、遊びだからこそ本気でやりたいですよね。タモさんも言ってた。

 ボードゲーム製作者のブログや記事も色々読んでみました。どう作っているのか、どういう作り方が良いのか…でも結局人それぞれなんですよね。眠らぬ金山は、カイジのEカードを見てピーンと来ただけなので再現性はありません。

悪夢の「眠らぬライオン」

 テーマが無理なら、名前ありきで作ってしまおうということにしました。眠らぬ金山の次なので、「眠らぬライオン」で改めて出発しました。自分はゲームのアイディアを書く時に、Google Keepに一気にバァーっと書いていく形を取っているのですが、このゲームに関しては今回は書いては却下、書いては却下というこれまでやったこと無い作り方で模索し始めました。

 タイル形式で動かすもの、写真を取るという設定で絵並べ、ライオンとシマウマの陣地争い…

 100円ショップで買った長方形のカードに夜な夜なテキストを書いて、孤独なテストプレイをやってました。「この道を進めばきっと財宝が出てくる」という根拠のない信念を持って進んでいました。
 結果どれも出せるレベルのものではなく、他人とテストプレイをしたものだけでも10個。財宝どころか多くのクソゲーができました。

既に1年たち、夏が来ていました。

眠らぬ金山の一次審査通過

 とてもありがたいことに、眠らぬ金山がゲームマーケット大賞の一次審査を通過したとの連絡をいただきました。販売数は他のサークルさんと比較しても全然だったので寝耳に水という状態です。

 結果的に二次審査には残れなかったですが、貴重な機会をいただけて本当に嬉しかったです。モチベーションが大きく高まりました。(今年でゲームマーケット大賞は終わるそうですね。ありがとうございました。)

ただ心は落ち着かない

 全然思い浮かばない日々が続きます。過去のルールをいじって「眠らぬライオン」のテストプレイもしました。テストプレイを終えた後、いつも褒めてくれる知人が沈黙したままの時の気まずさったら無いですね。テストプレイ後の沈黙はすべてを語ります。

 シャワーを浴びながら「あー、どうしよ」なんて口から勝手に出てきます。ボードゲームに関するテレビ番組や本がありましたが、それを見ると焦ってしまう毎日です(良くないですね)。本当に生み出すのは難しい。

 Twitterで「3作目からが本番」(うろ覚え)というのも見て、なるほどなー、次が0作目なのか、と。

 眠らぬ金山と今はどう違うのかいろいろ考えたところ、最初に吐き出される完成度が全く違うなという感じでした。眠らぬ金山は最初にGoogle Keepに書いた内容の7割が最終版として残っています(小さなゲームというのもあるんですが…)。なのでダメなものはどうこねくり回してもダメですね(自分の場合)。

それは突然に

 新作を考えることをやめて1ヶ月経った2018年の11月。子供を連れて並木道を散歩をしているときでした。当時、スマホ版のテリーのワンダーランドをやっていたのでパーティ構成を考えていたときでした。

「精霊召喚」と「並木道→高いもの→塔」が頭をよぎりました

 この連想は今考えても謎ですが、慌ててGoogle Keepにイメージを書きとどめました。それから2日は時間さえあれば書いていたような気がします。これまでとは明らかにアイディアが湧くペースが違いました。

 眠らぬ金山と同じやり方(と言えるのか?)です。また次回作で苦労するパターンですね。奇跡をいつも準備して待つ。

良いことも悪いことも

 10日後、アートワーク担当のじみさんとテストプレイを行いました。この数カ月間ずっと暗く悲しいテストプレイをしていたのですが、この日はとても楽しくゲームができました。

あぁこれがボードゲームだ。

 タテルトでは精霊を召喚するためにマナを集めるんですが、そのマナが足りなくて進め方を変えなければならなかったり。足りないマナを相手から取ろうとしたら逆にとられたり。「よーし、マナ全部使って塔を建てるぞ!」と思って一気に建てると「あ、あそこで使わなければ…」という状況に陥ったり、など。2年前からなんとなく思ってた、こういうゲームが作りたい、というものを網羅できていました。

 その後、精霊カードのバランスや、塔とマナの交換のバランスは紆余曲折あったものの、1ヶ月後にはだいたいの規模感が見えてきたので、イラストを依頼。途中でじみさんは遠方に引っ越すことになり、ヘルパーとしてみゆきちが参戦。ギリギリにはなったものの、なんとか9月に入稿を終わらせました。一安心。

 一方で、タテルトの製作中には2度悲しいこと出来事がありました。タテルトの説明書にあるストーリーには、それが少し反映されているような気がします。

 改めて振り返ってみると、入稿までの期間は10ヶ月もなくイラストは眠らぬ金山の倍以上。それでも仕上げてくれた、じみさんとみゆきちには大変感謝しています。また、テストプレイをしてくれたすべての人に感謝しています。長くやっていると「本当に面白いのかな?」とわからなくなってきますが、楽しんでいただき自信を持てました。

ゲームマーケットまでいよいよあと2週間ですね。どんな評価をいただくかまだわかりませんが、とにかくゲムマを楽しみたいと思っています。試遊もあります✨

タテルトをよろしくおねがいします

タテルト
マナを集めて塔を建てる精霊能力バトルゲームです。
ゲームマーケット2019秋で頒布します。

予約は下記リンクです。
http://sggm201911.ag3.pw/
予約者全員に「オリジナルしおり」をプレゼントしています🌟

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もともと書きたかったことは…🤔

タテルトのコンポーネントは何を使っているかなど書こうと思ったんですが、何故かこんな方向性になりました。また改めて書きたいと思います。これは文章供養と思って公開ポチ。

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