投資家的読書術(「目次的勉強法」編)


(目次)

第1 「目次的勉強法」は「目次的合格法」を構成する一要素です
第2 投資家的読書論とは何か
第3 そもそも勉強とは何か
第4 さあ勉強しよう……どこから? 私はここから 
第5 目次の無い本?
第6 抽象→具体
第7 具体→抽象
第8 目次的勉強法は、人生全般に応用できる
第9 大げさに「目次的勉強法」とか言ってるけど結局は当たり前のことだ

(本文)

第1 「目次的勉強法」は「目次的合格法」を構成する一要素です

 私の本業は弁護士です。弁護士になるためには、司法試験に合格する必要があります。司法試験制度も、受験資格や受験科目や合格者の数や司法試験合格後の修習のあり方などの点において昔に比べて変化してきたのですが、適当に勉強して受かるほど甘い試験だとは思っていませんでしたので、しっかりと勉強の戦略を練った上で、その戦略に従って淡々と勉強を進めたという過去の事実があります。

 司法試験制度の詳細を説明することはしませんが、要するに沢山の科目をそれなりに深く習得することが求められる試験であると言うことが出来ます。憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法、行政法は必修科目、労働法、倒産法、経済法、知的財産法、国際私法、国際公報、環境法の中から好きな科目を選んで受験する選択科目と呼ばれるもの、これらをそこそこ詳しく習得する必要があるわけです。

 膨大な範囲について、効率的に学ぶ必要がある。そうなったときには、やはり効率的に学習するための戦法が必要となります。

 そのような観点から生まれたのが「目次的合格法」という勉強法です。「黙字的」ではなく「目次的」な合格法。実は一度、過去に某司法試験予備校においてこの「目次的合格法」について講義を行ったことがあるのですが、講義後のアンケートを拝読したところ、大変好評でした。このように、評価という裏付けもある勉強法、合格法なのです。

 その「目次的合格法」のノウハウを少しでも広めたいという思いをずっと抱いていたのですが、私がここ最近において特に掲げているテーマである「読書論」との関連において説明したほうが面白いと考えるに至ったため、「目次的合格法」のうちのインプット作業に関するノウハウである「目次的勉強法」について本稿を通じて説明していこうと思う次第です。

第2 投資家的読書論とは何か

 投資家的読書論については、すでに以前のnoteにて論考を発表していますので、そちらも参考にして下さい→https://note.mu/sg19841015/n/nd1dceeba3f2b

 投資家的読書論とは、抽象的ではありますが「読書は最高の投資である」という理念を掲げた読書論のことです。利益を得るために読書を行うという姿勢を全面的に肯定するものです。深い教養などを得るためというよりも目先の利益を得るために読書をしようという考え方に親和性があります。

 この考え方に違和感を覚える方は、これ以上、本稿を読み進めない方が良いでしょう。時間の無駄になってしまうかも。それどころか、ストレスを感じてしまうかも。すぐに読み進めるのを中止して、パズドラでもやって遊んでいて下さい(当方、ランク29。モンストに関してはIDを忘れてログインできないという有様、、。)。

 目次的勉強法は、まさに投資家的読書論の考え方に馴染むものです。目先の利益を獲得するための読書方法を模索する上において、目次的勉強法の考え方は非常に参考になります。

第3 そもそも勉強とは何か

 勉強=読書、ではないと思いますが、読書は勉強のための有効な手段だと思います。他の勉強方法として、講義の受講、セミナーの受講、個別指導の受講、模擬試験の受講などが挙げられますが、講義よりもセミナーよりも個別指導よりも模擬試験よりも大事なのが読書だと考えています。

 読書は、何と言っても費用は安い。勿論、高価な本もありますが、講義などを受けるよりもはるかに安いはずです。しかも、一度本を購入しておけば、追加で費用を負担すること無く、何度でも繰り返して勉強をすることができる。これは、本当に素晴らしいことです。

 読書の優れている点は、他にもあります。自分のペースで勉強することができるというところです。講義やセミナーは話し手のペース配分が全てですが、読書であれば、自分の得意な分野はサクッと済ませることができ、逆に自分の苦手な分野は時間をかけてじっくりと学ぶことができます。

 また、自分に合わせた勉強ということであれば、個別指導を受けることも有益でしょうが、お風呂に入りながら、トイレに入りながら、寝転びながら勉強できるという意味において、読書のほうがより融通が利くのです。

 読書は、勉強の基本です。読書=勉強ではありませんが、読書≒勉強とは言えると思います。

 読書が苦手な人は、勉強も苦手ということになりますから、少しでも若いうちから読書力を身に付けておくことが必要です。国語力、とは少し意味合いが異なると考えています。国語力は読書力の大前提ですが、国語力があるからといって読書力もあるということにはなりません。単に文字が読めて、文章の内容を一応理解できるという「国語力」だけでは、効率的な「読み方」を実現するための「読書力」は身に付きません。読書力を身に付けるためには、それなりの工夫が必要なのです。

 その「読書力を身に付けるための工夫」こそがまさに「目次的勉強法」なのです。

第4 さあ勉強しよう……どこから? 私はここから

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