あなたはなぜ歯磨きをしますか？

歯科衛生士 長岐祐子です。

私は、歯科衛生士教育も行っているので

新人歯科衛生士さんから歯磨き指導を受けることもあります。

歯を赤染して、鏡を持たされ、磨けて無いところ指摘され、ブラシの当て方や擦り方を修正されます。

改めて患者立場で指導を受けると

なぜそのように磨く必要があるの？

と歯磨きの方法に疑問が湧いてきました。

歯磨きをする目的は？

私は圧倒に歯磨きしないと気持ち悪いから磨きます。

訪問研修の際は、お店でお昼ご飯を食べてから伺う事があるので

そんな時は歯磨きが出来ないまま研修することもあります。

このような時は食後のお口の匂いを消そうとガムを噛みます。

外出先で歯磨きできる場所があったとしても、汚れをとる為ではなく

歯磨き粉のミントで爽快感と食事の匂いをかき消す事が目的です。

そもそも口の中には常在菌と言って500種類以上の細菌が何十億個、それ以上います。

その細菌を歯ブラシでかきとる事はできないし

厳密には歯ブラシにも雑菌は繁殖していますからね。

では、何のために磨くのか？

それは、歯面についた細菌を歯面から落として、拡散させるためです。

そもそも細菌は時間と共に強固な細菌の塊、集合体を作ります。

この集合体をバイオフィルムと言います。

バイオフィルムは歯科医院に行って歯科衛生士さんに赤く染め出ししてもらい

しっかり除去してもらわないとセルフケアで取り除くのは難しいです。

また、バイオフィルムを除去できたとしても

お口の中の細菌層、分かりやすくいうと悪玉菌を減らしておかないと

バイオフィルムは数週間でできてしまいます。

お口の中の細菌たちが集合体（バイオフィルム）を作らないように

・歯面につく細菌を歯ブラシの毛先で拡散させる

・定期的にお口の中の悪玉菌を減らす

・悪玉菌が繁殖しないようにプロケアを受けた上で毎日歯磨きをする

歯磨きの本質はここにあります。

この時、たとえ優しい力で歯を磨いていたとしても