惨劇の船旅へ【 Return of the Obra Dinn 】(Steam)
オブラディン号が帰ってきた
時は1802年。200トン以上の交易品を積んだ商船「オブラ・ディン号」が、ロンドンから東方に向けて出港した。その6か月後、同船は予定されていた喜望峰への到達を果たさず、消息不明扱いとなった。
そして今日、1807年10月14日早朝のこと。オブラ・ディン号は突然、ファルマス港に姿を現す。帆は損傷し、船員の姿も見えない。これを受け、東インド会社ロンドン本社所属の保険調査官が、ただちにファルマス港に派遣された。同船内を直接調べ、損害査定書を作成するために――。
誰もいない船。いたはずの６０人の乗客と船員。散乱する髑髏、荒れ果てた船内。ロクでもないことが起きたことは間違いないこの船で主人公は、人物の過去の死に際の一瞬を垣間見ることができる不思議な時計を使って、オブラディン号に乗っていた６０人の「身元」と「死因」を調査していく事になる。名前のわからない船員の会話、役職、服装、国籍を頼りに彼らの身元を洗い出していこう。
そして時計を片手に観ていくのはオブラディン号で起きた惨劇の数々。次々と起こる不幸な事故、蔓延する病気、身勝手な殺人、そして恐ろしい怪物の登場と負が負を呼び、死の連鎖が止まらない。プレイヤーはそんなロクでもない瞬間にこれでもかと立ち会いながら、調査しなければならない。
そんな船員たちの死にっぷりは結構エグい！本作のグラフィックが２色によるグラフィックなおかげで若干マイルドになってはいるけど普通に頭は吹っ飛ぶし、体は真っ二つになるしで大変な事になってるよ！殺人に事故死に病死に感電死、爆死に転落死と死のバリエーションが豊かすぎる！死因の宝石箱や！更にヒントとなるおっさんたちの悲鳴まじりのセリフや、どうみても体がヤバい事になっていそうな効果音も生々しく背筋が凍るぞ！
その瞬間に隠されたヒントを探せ！
そんな陰惨な一瞬をFPS視点でいろんな角度で見ていくと、船員の所持しているものなど、人物のいる場所などにヒントが隠されており、事件の裏で別の人物が動いていることも少なくない。そこから答えを導き答えを当てるのが普通に気持ち良い。そして正解した時にはガッツポーズしたくなるぞ！
そんなこんなで陰惨なシーンを一通り見た後は、何度も同じシーンを見ながら、過去のシーンと見比べてその変化の違いや新しい手がかりを探しながら、じっくりと答えを考えていくのが普通に面白く、いつのまにか60人の似たような顔の連中も不思議と見分けがだいたいつくようになってくる。そんな事をしているうちに時間がスルスルと溶けていき、気づけば７時間ぶっ通しでプレイしており外は明るくなっていました。
そんなこんなで時間を忘れて、寝る時間も忘れて、黙々と一気に遊んでしまいました。楽しかった！
手応えのある謎解きをしまくりたい、事件現場を大量に調査しまくりたいという方には是非オススメしたい素晴らしい一本です。是非この血濡れた船上の惨劇をあなたの手でも解いてるのはみてはいかがでしょうか。
DATA
Return of the Obra Dinn
発売：3909
開発：ルーカス・ポープ、Warp Digital Entertainment
対応ハード：Steam、Xbox ONE、PS4、Switch
発売日：2018年10月18日
ジャンル：アドベンチャー
※注意⚠️以降はネタバレを含む文章です。
ストーリーに関して
本作はよくある「禁忌」を犯したことで、とんでもない目に遭うお話なんだけれど、本作はそのとんでもない目がとにかく派手なのが良いですよね。
序盤のチュートリアル的船長無双や謀反による殺人のシーンが終わって、シリアスな人間の泥沼な殺人劇が今後も展開されると思いきや巨大クラーケン登場で話の雰囲気がガラッと派手な方向に舵を切ったのが個人的には最高でしたね。
更にイカだけではなくトゲを発射する超カッコいい蟹のお化けにキモい人魚とモンスターが次々と現れる展開にワクワクしないわけがない。しかもちゃんとバトルしてるのも嬉しい。
コイツらモンスターと人間の醜悪な部分ばかり出してくるおっさん達との絶妙なバランスのおかげで本作はそこまで嫌な気分にならず遊べました。もう化け物様々でした。彼らは清涼剤なのです。
にしてもこの時計が手元に残っているということは主人公の職務上他にも利用用途がありそうですよね。今回は船内でしたが、これは次回作なども期待したくなっちゃいます。
映画鑑賞と積みゲーの資金となります…たぶん