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SF的映画レビュー

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ネタバレだらけの散文のようなレビューです。 旧作から新作、往年の名作から変なサメ映画までいろいろレビューしていきます。
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2019年4月の記事一覧

映画:マンハント (2018) ネタバレ有

​ジョン・ウーが放つ中国製日本映画with福山雅治!なんじゃこりゃあ! 冤罪を晴らすため日本を横断する巨編「君よ憤怒の河を渉れ」のリメイク!しかも監督はあのジョン・ウー!映画の冒頭から演歌が流れ、主人公の口から流れるあのテーマ。名台詞。一通りリスペクトが済んだらヤクザ皆殺し!二丁拳銃!鳩!スローモーション!二丁拳銃!!!包み隠さず遠慮無しの高純度のジョンウー節は今も昔のまま! それを披露してくれるのがチョウ・ユンファでもトム・クルーズでもなく福山雅治というのが嬉しいじゃないで

映画:ゴッホ 最後の手紙 (2018)ネタバレ有

愛?いや、どこまでも狂気。 それはゴッホではなくこの映画が。 とにかく全手書きの油絵でゴッホ調なタッチで描かれるアニメは圧巻。気持ち悪くなるくらい圧巻。しかもそれがロトスコープでヌルヌル動くのだから余計圧倒される。これ全部油絵なのかと思うと気が遠くなる。しかも平然と背景ごと動いたりパンしたりするからひと時も目が離せない。とにかく、とにかく凄い。狂ってる さて、ストーリーはというとゴッホが弟テオに渡すはずだった手紙を渡すため郵便屋の息子である主人公が旅に出ると同時に途中からゴ

映画:アベンジャーズ インフィニティウォー (2018) ネタバレ有

わかっちゃいたけどショッキング。 前後編というのは知ってたから今回はボコボコにされるのだろうと思ったら、その通りで各所各所でサノスにボコボコにされるアベンジャーズ達。 皆各所で戦いをおっ始める訳ですがやはり初顔合わせとなるキャラクター達とのリアクションが楽しいですよね。特に今回はGOTGの連中がいるだけあって賑やか。 そして次々とやられて行くメンバーにはショックを隠せない。ロキは死んじゃいねーだろうけど。 そんなサノスの強さは確かに強いけど集団でボコればなんとかなるかもしれな

映画:ストレンジ・デイズ/1999年12月31日 (1995) ネタバレ有

バーチャル体験は最高さ!どんな体験だって五感を感じられる!美女とのセックスだって、マッチョになってバイオレンスだって、死の瞬間だって…。 そんな1999年から2000年を迎えるという、世紀を跨ぐのとはまた違う大きな節目。思えばノストラダムスやら2000年問題やらいろいろあったけど結局なにもなかったし、人間もさほど進化はしていない。でも2000年、なにかが変わるという感覚はあった。 しかし主人公のレニーは違う。VRで人間の過去の記憶を疑似体験出来る装置を使って現実逃避の真っ最

映画:ハンターキラー 潜行せよ (2019)ネタバレ有

クーデター!ロシア大統領が捕まった!困った時はお互い様!アメリカ潜水艦が助けちゃうぜ! そんな米潜水艦アーカンソーはロシアへと向かう。と同時に調査のために来ていた米特殊部隊もロシアへと向かう。 次々と出てくる策謀と逆境に寡黙に対応していく艦長がとにかくイカしてますね。狭く暗い潜水艦パートと、カッコよくない訳がないコールオブデューティーのような特殊部隊パートで刻々と状況が変化していき最後までオチがわからないのでかなりハラハラしました。しかも登場人物はプロフェッショナルな人物ばか

映画:IT イット “それ”が見えたら、終わり。 (2018) ネタバレ有

一体アイツはなんだったのか。 本作はホラー作品ではあるが、それと同時にスタンドバイミーやグーニーズのような少年少女達の冒険モノの色が強い作品である。 前半は完全に不条理な恐怖描写の数々とビックリする演出(音頑張り過ぎ)にビビりまくりだった。子供達のトラウマをえぐるモディリアニ風怪物やゾンビなどありとあらゆる恐怖が襲ってくる描写はバラエティ豊かで非常に楽しい。(ページをめくるたびに写真がズームになっていくシーンが最高)そしてピエロ。奴もモチロンなかなかユーモアもありつつ恐ろしく

映画:L.A.ギャングストーリー (2013)ネタバレ有

許さん!このLAは俺たちが守る!!! 警察はギャングの手に落ちた…買収され、誰も奴らには逆らわない…しかしそんな中でも正義の炎は消えていなかった。金に目がくらまず正しき血潮が流れる彼らの歴史には残らない反撃が始まる! いや、当初は50年代ギャングものでもダークでリアルな雰囲気でやっていくのか、と思ったら外連味たっぷりなハードボイルドでアクションな七人の侍ライクの映画だったとは…いいじゃないのさ! これぞフィルムノアール!と言わんばかりの50年代LAの華やかな雰囲気と極端な暴

映画:翔んで埼玉 (2019)ネタバレ有

根強い差別問題。 それは東洋日本も同じである。グリーンブックがその人種差別に苦しむ人間との旅を通して主人公の考えが変わっていくと同じように、この翔んで埼玉の東京都民の二階堂ふみ演じる壇ノ浦百美も旅を通して変わっていく。 そして今、鼻で笑われ貶され己が地元をシャレの如く使われる埼玉県民の怒りが今牙を剥く。 …まぁ本作は大層なもんではないし、社会派なわけでもない。ただ飲みの席での野次のようなもんだが積もり積もればなんとやら、こんな映画も出来てしまう。 お高く止まった都民の醜さ、

映画:グリーンブック (2019)ネタバレ有

狭い価値観が蔓延る世界で彼らの友情はなんと輝いている事だろう。 今年のアカデミー賞はなんだかんだで結構見ている。スパイダーバースに、ボヘミアンラプソディ、ROMA、ブラックパンサー…そしてやっと見る事が出来ましたグリーンブック。本作は想像以上にベタなロードムービーではあるがとても心地よく暖かい作品でした。 ドライバーのトニー・リップ演じるヴィゴ・モーテンセンの演技は秀逸。やさぐれてはいるが人情と自分の価値観を持った生き方を演じきっており、ドグとの打ち解け方も非常に嘘が無いよ

20年前の実写ガンダム【G-SAVIOUR (2000)】ネタバレ有

これが実写ガンダムだ! ガンダムと実写。思えばガンダムと実写というのはなかなか結びつきが弱い。昨今では「レディ・プレイヤー・1」にガンダムが登場した事もあったけれどアレはゲスト出演という形。 初代プレステでも実写の太いシャアが登場する「GUNDAM 0079 THE WAR FOR EARTH」なるゲームもアレな内容ではあったが頑張って一年戦争を再現していた。しかし今回レビューを書く「Gセイバー」は完全新作!なんと海外との共同制作で作られたインターナショナルなガンダムだ! …

映画:キャプテン・マーベル (2019) ネタバレ有

彼女は一体何者なのか?人間か!?宇宙人か!? 正直あまりにも日本ではドクターストレンジやアントマン並に馴染みがないキャプテンマーベルさん。 そんな彼女の登場は予想より遅く、そして想像以上に魅力的だ。歯に着せぬ立ち振る舞いは可愛いしイカす!戦闘スタイルも思考より先に手が出るタイプなのも好きです。 映画のストーリーも記憶喪失からの敵味方逆転など飽きない内容でしたが、一体変身宇宙人の家族達はなぜ宇宙船に隠れていたのか、宇宙猫のグースは何故いたのかなどなどわからない…というより引っ

映画:妖獣都市 (1987) ネタバレ有

闇ガード!声に出して言いたい言葉!闇ガード! 間界と魔界の、不可侵条約締結の鍵となる霊能者ジュゼッペ・マイヤート。 彼を護衛する<闇ガード>滝 蓮三郎は、魔界から派遣された美女・麻紀絵とコンビを組み、奇怪な姿と恐るべき能力で襲いかかる妖獣たちを相手に、死闘を繰り広げる――!  <Amazon解説より> 時はOVA絶頂期!「この作画を見よ!」と言わんばかりに動きまくる超劇画アニメーション! でもその内容は初っぱなからエロ!グロ!エロ!アクション!エロ!エロ!アクション.

地獄のバカンスへ…【 マタンゴ 】 (1963)

60’s意識高い系リア充共が乗ったヨットが難破。漂着した先は鳥も近寄らぬ謎の無人島。和気藹々としていた彼らも不安と空腹が心を狂わせて行く…。そして見つけたのは謎のキノコ…。 今でも全然古臭く感じない弱い心のぶつかり合いっぷりはなんとも生々しい。だんだん感情と暴力がエスカレートしていく様はそれだけでも十分サスペンスとして成り立っている本作。しかし本作の主人公はなんといってもキノコ!そう「マタンゴ!」 キノコの誘惑!そして恐怖はシュールだけど恐ろしい!美味しく、トリップしちゃ