酒見賢一のハヤカワ・SFコンテスト応募作と、三種類の『聖母の部隊』
『後宮小説』において、弱冠二六歳で第一回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、小説界から激賞を浴びた酒見賢一だが、上記の通り、デビュー以前にハヤカワ・SFコンテストに複数回応募していたことも語っている。
そもそも初期のインタビューで酒見は、インド哲学を学ぶつもりで進学したが大学に中国哲学専攻しかなくやむをえず選択したこと、最初はアラビアを舞台に『後宮小説』を書こうと構想していたものの卒業論文を明末清初で揃えていたために中国風になったことを述べ、『後宮小説』がヒットした結果、(謙