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酒見賢一のハヤカワ・SFコンテスト応募作と、三種類の『聖母の部隊』

『後宮小説』において、弱冠二六歳で第一回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、小説界から激賞を浴びた酒見賢一だが、上記の通り、デビュー以前にハヤカワ・SFコンテストに複数回応募していたことも語っている。 そもそも初期のインタビューで酒見は、インド哲学を学ぶつもりで進学したが大学に中国哲学専攻しかなくやむをえず選択したこと、最初はアラビアを舞台に『後宮小説』を書こうと構想していたものの卒業論文を明末清初で揃えていたために中国風になったことを述べ、『後宮小説』がヒットした結果、(謙

    • SFJapan掲載作全リスト

      前書き――幻のSF誌《SF Japan》とは? こちらの推薦記事に書いたように、昨年(2022年)末に刊行された谷口裕貴『アナベル・アノマリー』は雑誌《SFJapan》初出作を軸にしたもので、まとまるまでに十九年の月日が流れています。今年(2023年)電子で刊行された八杉将司『ハルシネーション』も同誌初出作が多数(2004年発表のものから2011年まで)が収録されています。 《SFJapan》は、2000年から2011年まで不定期に刊行され、計26冊を数えた徳間書店のS

      • 少女の死で、世界は呪われた。日本SF新人賞作家が放つ最凶サイキックSF『アナベル・アノマリー』

        ――上記は、史上最凶の超能力者である十二歳の少女・アナベルの覚醒シーンであり、谷口裕貴のサイキックSF『アナベル・アノマリー』の冒頭、全世界が呪われるに到った事件の端緒である。当該部分の短篇、「獣のヴィーナス」の発表は今から二十二年も前、《SFJapan》二〇〇一年春季号において。それが当時から読者に鮮烈なイメージを与えて伝説になりつつ、現代でも何ら色あせるところの無い衝撃を与えるのは驚きである。 『アナベル・アノマリー』は二〇二二年末に到ってようやく書籍刊行されている。こ

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