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△3三金型早繰り銀へのカウンター①

ついに、書籍化されると噂の△3三金型早繰り銀。
プロでも採用され始め、要注目。
△3三金型早繰り銀を実戦投入した中で、指された対策は以下の通り。
銀交換した後の、飛車を狙います。
ベースは 10 年ほど前に大流行していた早繰り銀 vs 一手損角換わりにあります。

先手▲5六銀型 VS △3三金型早繰り銀

初手からの指し手
▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △8五歩 ▲7七角 △3四歩
▲8八銀 △3二金 ▲2五歩 △3三角 ▲7八金 △7二銀
▲4八銀 △7四歩 ▲3三角成 △同 金 ▲7七銀 △7三銀
▲4六歩 △6四銀 ▲4七銀 △4二玉 ▲5六銀 △7五歩
▲同 歩 △同 銀 (基本図)

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後手の△3三金型早繰り銀に、先手が▲5六銀型で対抗する場合、
上の基本図まで進みます。後手は速攻で”早繰り”できて調子いいです。
ここから先手には、
1.▲2四歩 ~ ▲2五歩で2筋を詰めてから、左辺で反撃する。(今回)
2.▲4五歩 ~ ▲4六角 を急ぐ。(次回)
の 二通りの方針があります。

▲2四歩 ~ ▲2五歩で2筋を詰める

基本図からの指し手
▲2四歩 △同 歩 ▲2五歩 △8六歩 ▲同 歩 △同 銀 ▲同 銀
△同 飛 ▲8七歩 △8二飛 ▲2四歩 △2二歩 ▲7四歩
まで第1図。

画像2

早繰り銀が5段目に出た時の▲2四歩 ~ ▲2五歩は、反撃の手筋。
銀交換・2筋を収めたやり取り後の最終手▲7四歩は左辺にと金を作り、左右挟撃を目指した一手。早繰り銀 vs 腰掛け銀での B 面攻撃は基本です。

第1図以下の指し手
△5二金 ▲7七桂 △7六歩(危険?) ▲6五桂 △6四銀 ▲7三銀
△同 桂 ▲同歩成 △同 銀 ▲同桂成 △9五角 ▲5八玉 △7三角
まで第2図。

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△5二金は最も自然な一手。先手は、▲7七桂 ~ ▲6五桂で7筋と5筋への攻撃を目指す。本譜は後手が最も強気の応手(△7六歩)で応じて、途中の△9五角、「王手!と金取り!」で問題ないかと思われますが……
先手には次の一手があります。

第2図以下の指し手
▲2三桂 △7七銀 ▲7九金 △8七飛成 ▲1一桂成
まで結果1図で先手大優勢。

画像4

左辺で捌いた桂馬を▲2三桂と打ち込むのがこの一手。▲1一桂成~2一成桂~3一成桂と三枚取る手が分かっていても防げません。
後手には手段が少なく△7七銀 ~△8七飛成くらいですが、
先手は何か(ここから△7八銀成など)された時に
▲9六角と打てば攻防になります。
また、後手の7三角はと金を取っただけの駒になってしまっています。
今回はここまで、早繰り銀は銀交換してからが本番です。
以下はおまけです。

おまけ(早繰り銀 vs 一手損角換わり)

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画像は、先手早繰り銀 vs 後手一手損角換わりの一変化。銀交換には成功していますが、ここから画像の通り△4五銀、△3六歩、△6五歩と先手の飛車側を狙いにきます。
(たぶん現在は、この分岐以前に先手の有力手があったので消えました。)

ゼロ手損、一手損角換わりでは、早繰り銀 vs 腰掛け銀系統の歴史は長く、共通手筋も多いので知っておくと何かと便利。

△3三金型早繰り銀の使用感

VS 先手▲5六銀型は一撃で決まらないので不満。
VS 先手▲3七桂+4七銀型は△5四角~△3五歩で攻め筋と破壊力ましましなので、勝ちやすい。
採用するにしても、されるにしても死にやすい戦型なので、ひとつ回答を持っておくと安心です。

参考棋譜(自戦)

1. https://shogiwars.heroz.jp/games/KAWASHIMA00-Maki_Haruka-20201010_161235?tw=1
2. https://shogiwars.heroz.jp/games/GRISPY-Maki_Haruka-20201004_190648?tw=1


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