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【ハイコ】ハイコの初推理

前回↓

ソフィアの死の真相

自分が気を許しているたった二人の人間が、自分が原因で不幸な目に遭い、そして死んだ。そう思い、ハイコは深く絶望します。

…が、ふとハイコはソフィアの自殺現場に違和感を抱きました。
「色々調べた」結果、ソフィアの死は自殺に見せかけられたもので、真犯人はソフィアの実の父であるキリルであることがわかります。
(この辺りの推理、具体的には全く考えておりません!お許しください…)
テオの事について言い争った結果、逆上したキリルがソフィアの首を締め、そして……
それがソフィアの死の真相でした。

夜、忍び込んだキリル邸でハイコは証拠を剣とともにキリルに突きつけます。

「さあ選べ
お前の受ける裁きは 剣か 法か」

自主して罪を償う提案を残したのは、ハイコのせめてもの慈悲なのか、それともやはり、自分の非による後ろめたさのあらわれか…
ですがキリルは、そのまま雇っていた代闘士、ギコを呼び、ハイコを抹殺しようと企みます。

決闘、そして後悔

ハイコの実力の見立ては間違っていました。
ギコは確かに優秀な剣士でしたが、天才であるハイコの敵ではありません。ハイコはギコを瞬殺します。
しかしその勝利自体もハイコにとっては自らを責める材料となりました。自分の意思一つで兄を救えた証拠であるのですから。
ハイコが自罰的な行動を選択する傾向が強いのは、この時の後悔がトラウマになっていたのです。
キリルはどさくさに紛れて逃げていたようで、行方知れずとなりましたが、ハイコにはもう、彼を探し出す気はありませんでした。

テオの目醒め

しばらくして、テオが意識を回復しました。
しかし、ソフィアのことは自殺としか伝えませんでした。
事実を知ること自体が罪を償うための苦しみであり、その苦しみはテオには必要のないこと。それがハイコの考えだったのです。
テオは… ショックを受けてはいましたが、ハイコが想像していたより遥かに冷静にソフィアの死を受け止めているように見えました。
だがそれは、テオが壊れてゆく過程の最初の一歩でした…

そして…

そののち、テオは蘇生魔術を完成し、最終話の回想へと繋がります。
ちなみにホルガーはテオが目覚め、再び研究に没頭するようになってから様子がおかしくなっています。
息子たちへ干渉することがなくなり、領主としての最低限の仕事だけ果たしたあとは自室に籠るようになりました。精力的な一面は完全に消え失せ、見た目からもみるみる生気がなくなっていった父親の姿は明らかに異常でしたが、ハイコはその理由について、わざと考えないようにしていました。
テオの右腕に関しても、治癒魔法で治そうと思えば治せるかもしれないのに、そうしていないのは、自分を暗に非難するためなのではないか…そういった考えがハイコの頭をよぎったのは一度や二度ではありませんでした。
しかしついに、兄の真意を聞き出すことは出来ないまま、2人は決別してしまったのです。

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