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【ハイコ】テオについて part2

前回↓

婚約の取り消し

テオの婚約者であるソフィア。
その父、キリルは強欲な商人で、娘を自らの所有物としか思っていない俗悪な人物でした。
人の人生まで自分の思い通りにしようとする父を持つ、という共通点も、二人の距離を縮めるのに大きく影響している要素であったと想像できます。
キリルは一度テオとの婚約を認めました。しかし実はそれはテオがスモッグス家の跡取りであると誤解しての事でした。
真実を知ったキリルは婚約自体を無効にしようとしましたが、もちろんテオとソフィアはそれに反対します。
普段は温厚なソフィアですが、父キリルがテオを侮辱した事がどうしても許せず、激しく非難の言葉を浴びせます。
そして、娘の初めての反抗に激昂したキリルはある手段に打って出ます。

決闘裁判

その手段とは決闘裁判です。
キリルは強力な代闘士を雇い、婚約の可否を決闘に委ねることにしました。
テオ側も本来であれば代闘士を付ける権利があったはずですが、父ホルガーの「男なら自ら運命を勝ち取るべき」というポリシーにより代闘士を雇う金を与えられず、テオ本人が決闘に挑むことになってしまいます。

実はこの裏には、密約が交わされていました。
ホルガーにとっても有力商人の家との婚姻は悪い話ではありません。ですが彼はテオを跡取りにするつもりは全くない…
そしてキリルにも、スモッグス家の跡取り以外と結婚させるつもりはない…
ならばハイコをソフィアと婚約させれば全てが丸く収まるじゃないか、そんな話が秘密裏に、スモッグスの屋敷で行われていたのです。

決闘の行方

キリルが雇った代闘士、ギコは名の知れた傭兵でした。
魔術を使えない決闘において、もちろんテオには敵うはずがありません。
敗北の代償は重く、テオは右腕を失ってしまうことになります。
一命をとりとめたテオですが、重い傷のあまり高熱を出し、長い間昏睡状態が続きます。なんとか意識を取り戻したのは、決闘から数週間後の事でした

そして、テオが目覚めて最初に聞いた報せは、
ソフィアが自殺したというものでした。

「ハイコとテオ」に続きます↓


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