#サヨナラまでの30分 見ました。

音楽をしてると時間って平等じゃないんだ

時間は全員に平等に与えられた財産だ。

今日を生きるものには平等に24時間が与えられる

太陽は無情にも沈むし夜は否応なくくる。

平等じゃないものは、時間の価値だ。

5分が一瞬で…

でも思い返してみたら1時間も2時間も経った気もする

何かに夢中になった人なら、そんな感覚一度は感じたことがあると思う。

サヨナラまでの30分

前評判通り名作でした。

たくさんの人に知って欲しいと思える映画。

今年のNo.1かもしれない。

"青春"って瞬間の積み重ねだと思う。

青春を思い出すと軸のようなものじゃなくて

それこそ青写真みたいな一瞬一瞬を思い出す。

文化祭のあと、みんなで寝転がって疲れた〜って笑った記憶。

学校終わりに話し込んじゃって、いつのまにか夕方になってた記憶。

好きな人と座る距離が近いことを友達に揶揄われた記憶。

本当に30分くらいの記憶なんだけど、それが今思い返すと大切すぎて、忘れたくないと思ってしまう。上書きなんてしたくない。

そういう思いが詰まった映画でした。

"瞬間"を共有してきたアキとなにも共有したことがない颯太。が1つの体を共有して、バンドメンバーと共鳴していく姿が、とても良かった。

特に好きなシーンが颯太がECHOLLで初めて歌うシーン。音楽で分かり合えるときってあるよね。そういうとき楽しいよね。っていうのが言葉なしでもわかる。

たしかにECHOLLは人気バンドだし、デビュー間近なんだけれどECHOLLのサウンドや曲に対して褒めたたえられてるシーンが出てこないのがいい。

映画内で、ECHOLLの音の原動力ははじめはアキ、そして颯太、カナ、バンドメンバー。誰かのため、売れるためじゃなくて自分たちのためにバンドをやってる。

それって青春だよなぁと思った。

青春って自分が自分のために生きられる時代。

颯太もカナも最後は自分のために走った。

それが全てなんだと思う。

自分が自分のために生きられているか。

誰かのエンジンで生きてないか。

* ECHOLL※ネタバレあり

ECHOLLの世間の評価が不明瞭の中、その評価は我々に委ねられる。音楽映画ってわりと周りの評価で、演者のパフォーマンスに説得力を持たせてることが多い気がして、すごく萎えてしまう。

でも、真昼の星座のアキとアキが消えてからの颯太の歌。それだけでECHOLLの明るい未来が見えるようなそんな歌唱シーン。

音楽映画でこれ以上ないラストを見せてくれた。

そして、ここまで良質な音楽映画になったのは出演陣のたしかな実力と音楽への愛があったから。

サヨナラまでの30分の魅力は充足感に尽きると思う

映画館では見てないけれど、エンドロールが終わり映画館から出た時に、よかったぁと思える充足感。

少しだけ今日が色づいた気がする。

そんな映画だった。