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信託報酬だけで決めるのは

信託報酬が高いから悪い投資信託(ファンド)‼という事ではないと思います。
そもそも、高い低いはどこから比較するのか?
まぁ、その運用成果と比較して、リターンが悪ければ、悪いファンドという見方も出来るかも知れませんが。

でも、それも比較の問題ですね。

市場全体が大きく下落している中で、インデックス型の投資信託(ファンド)よりも、下落幅が小さければ、ある意味でインデックスに勝った運用をしているとも言えますし、そもそも下落してんじゃん!ってことも言えます。

信託報酬についてSMBC日興証券のウェブページには「信託報酬とは、投資信託を管理・運用してもらうための経費として、投資信託を保有している間投資家が支払い続ける費用のことです。ただし、別途支払うのではなく、信託財産の中から「純資産総額に対して何%」といったように毎日差し引かれます。」とありました。

また、「差し引かれた信託報酬は、投資信託を販売する販売会社、信託財産を管理・運用する信託銀行、運用の指示を出す運用会社で分配されます。つまり、信託報酬は投資信託にかかわる会社へ支払う給料のようなものと考えられます。ただし、成果報酬ではなく、運用成績にかかわらず支払わなければいけない基本給のようなものです。」ともあります。

そうなんですね、“基本給”です。

少なくとも、投資信託(ファンド)の運用を担っている資産運用会社の収入の大部分は投資信託(ファンド)からの信託報酬が占める事になります。

もちろん、投資一任業として他者の資産運用を担っている場合などもありますが。
投資信託(ファンド)の運用・管理する業務を担当する各部門の人員の基本給の源泉となっているのが、信託報酬となります。

さぁ!では、現在のインフレ状況で、従業員給与引き上げのために信託報酬を引き上げると言ったら、どうなるでしょうか?

信託報酬の引き上げを遂行するには、投資信託(ファンド)の保有者である受益者の判断を仰ぐ必要(重大な約款変更)があると言われています。

ご自身の保有する投資信託(ファンド)の信託報酬の引き上げについて賛同する受益者はどれくらいいるでしょうか?
まして、運用成績がはかばかしくないとなったら、結果は目に見えていますね。

資産運用会社の経営陣にとっては、人材確保の観点からも給与引き上げは大命題ですが、信託報酬の引き上げが難しい中で、受益者の付託に応えながらも、さらに従業員の頑張りにも応えていかなければならない。

現在は新NISA制度の流れの中で、総じて信託報酬の低いインデックス型の投資信託に資金が集中しています。
ただ、投資する企業とのエンゲージメントも資産運用会社には求められています。
 
生まれ変わったら資産運用会社での仕事は嫌だと、若い方に思って欲しくはないのですが、現状はどうでしょうかね。
 
少なくとも、インデックスを提供している企業の幾つかは、現在のインフレ等の環境変化などを理由にインデックス使用料の引き上げの打診をしているとも風の噂で伺っております。

更に、信託報酬については『金融庁が注視、「企業型DC」の商品は加入者本位か』との東洋経済オンラインの記事が掲載されています。

記事では、昨年11月に金融サービス提供法の改正が成立し、企業年金も「顧客等(年金加入者)の最善の利益を勘案した誠実公正な業務運営」が求められることを受けて、金融庁が運営管理機関の実態を把握するモニタリングに本腰を入れると言うものです

こちらの信託報酬は、同じ戦略でも公募投資信託(ファンド)との信託報酬の差異があることが懸念となっているとの事です。

本日は、ここまで。お付き合いいただき、有難うございました。
 

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