SONY BCL-3rd

前回の記事の真ん中あたりに、SINPOなるものが書かれていたと思います。これは「シンポ」と読みます。SINPOコードなどとも言います。
これは、ラジオの受信状態を表すための取り決めで、電波が強かったけど干渉も凄くて雑音も結構気になり電波の強弱がかなりあったので、総合的には中の下くらいです。

と、文章にすると、ぴたっと来ません。
S=信号強度Signal strength
I=混信Interferanse
N=雑音Noise
P=電波の強弱Phasing
O=全般OverAll    の5種類に切り分けて、それぞれを評価します。
ここで気を付けたいのが、最後OverAll  です。
サービスのつもりで、ほかの数値が悪いのに、最高の5をつける俄かBCLが急増したのです。
SINPの各評価数字は、1~5を付けますが、OだけはSINPの中で一番悪い(=点数が少ない)数字に揃えます。
上の例でいえば、52332とあります。

所謂質の悪いレポートが急増したのも、局側でもいったん投稿を制限する方向性を打ち出したのだと思います。
もっと、極端な例になると、その時間帯には日本では絶対に聞こえないはずの微小出力の曲のレポートが来たりしていたそうです。

なぜ、「絶対に聞こえない筈」と断言できるかと言えば、同じ周波数帯でソ連(現ロシア)のアメリカから発信されている放送をカバーする超大出力のジャミング(妨害電波)を発信しているからです。
このジャミングの手が込んでいて、録音された音声を逆回しにして、深い変調をかけてわざと歪ませているのです。

しかも、悪質なのは、妨害を避けて周波数を移動させると、妨害側もそれに追随してくるのです。こんな状況は、実は平和な時代になればなるほど減っていき、緊張が高まると一気にジャミングが激増するのです。
だから、雑音の放送が多く聞こえるほど、世界は緊張の時代にいるなんてことも判断できる材料になっていました。

電波は、受信地で同じ周波数なら、高レベルの方が低レベルの電波を抑え込んでしまう性質が有ります。こうした物理の法則を無視して、放送の内容を聞き取れることなどあり得ないのです。
そうしたニセレポートはすべて功名心とベリカード欲しさに起因しているのです。

こうした混沌もインターネットによって、短波放送が減少してくると、放送という概念そのものが変容してしまったのです。
まさに、変革を一番感じ取れる世界でもあります。

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