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銅線 窃盗

JR西日本の宇部線で100か所以上のレールボンドが、切り取られ持ちされるという報道が有りました。まったくもって、なにを考えてこんな大事なパーツを盗むんでしょうか。

線路に信号電流を流しておき、ある地点を列車が通過すると、車輪を通して信号電流が短絡することにより、「列車がその地点を通過したので、信号を赤にしてください」という指示のトリガーが発せられる仕組みになっています。

線路は鉄でできているために、温度によって伸縮する性質が有ります。レールはもともとは25mの長さが有ります。高温になって線路が伸びてくると、レース端同士が押し合い、線路がグニャっとなってしまい、脱線の原因になりますので、間隔をあけて敷設します。

そうすると信号電流が流れませんので、レール端同士を繋ぐ電流を流しやすい金属で結ぶことになります。この金属に良導体である銅が使われているのです。そして、銅は今国際的に価格が上昇しています。

それで、銅線を大量に盗んで、売り払おうとする不届き者が出てきているのです。もうお分かりのように、レールボンドを切り取られたら、信号電流が流れませんので、信号が機能しなくなりますから、危なくて列車の運行ができません。

この窃盗団はそんなことはお構いなしなんでしょうが、この窃盗によって列車事故が引き起こされたなら、大変なことです。今まではこんなことが頻繁には起きていなかったので、銅線はむき出しでも良かったのですが、こう多くの箇所での窃盗が続くと、列車そのものの運行自体ができなくなってしまいます。

これを防ぐためには、レールボンドを盗まれないような形態に変更しなければなりませんので、大変な手間と経費が掛かってしまいます。
また、信号電流の電圧は30V程度と言われていますので、仮に素手で触ってもビリッとはするでしょうが、事故にはなりにくいのも、盗む際に電気が流れていてもあまり気にしないのです。

信号電流につては、実にさまざまな方式が使われていますが、高電圧にすれば、取り扱いが厄介になり盗みにくくなるでしょうが、今度は踏切で一般人が転倒した際には感電事故を起こすことになります。

電車は架線からの直流1500Vか交流の20000Vか25000Vをパンタグラフから取り入れて、モーターを動かすと、接地側では0Vになりますので、この仕組みでの感電事故は起きませんが、信号電流は別電源で、別しようとなっているので、同じ鉄の線路が回路になっても、互いに干渉しない仕組みを使って、運用しているのです。

理屈はともかく、速く逮捕して欲しいものです。沿線住民も協力してください。


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