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大学生活、ありがとう。

わたしは大学に入学以後、自分の心に余裕がなかった。
それは、周りの人の優秀さに焦っていたからだ。
なんで、そんなに頭がいいんだろう...? なんでそんなに人を惹きつけるんだろう...? 当時の自分には人より秀でていることがなかった。

「人より価値がないからこそ、頑張らねば…」
そんな焦りが、自分の学生団体への活動に火をつけた。

自信がなかった私は「人よりも頑張らなくちゃいけない」となんども自分に言い聞かせた。そして今までなんとかやり過ごしてきた。
「自分は人より価値がない」そんな他者との比較でわたしは動いていた。いつも何かに追われている感覚だった。

そんなある日、自分が尊敬している学部の知人が私をご飯に誘ってくださり、「素敵。得してますね。」と褒めてくれた。え、私のこと? 正気ですか? めちゃくちゃ要領悪いですよ?
正直、その人の褒め言葉をお世辞としか思っていなかった。その言葉が信じられなかった。でも、その人のまっすぐさは私自身も知っているつもりだ。

その場では笑ってやり過ごしたが、後日、振り返って、こう解釈した。

私が誰かの才能を羨ましがるように、みんなも他の誰かの才能を羨んでいるんだなぁ。

自分が他の人をすごい、と思う感覚はあっても他の人にも同じような感覚があって、自分も対象になるんだな。
自分のことを客観的に見ることはできない。わたしは、欲張りだから、もってないものばかりに目がいってしまう。できないことばかり目に入ってしたう。でも、他の人から見たらステキな武器なのかもしれない。そんな武器をこれからも少しずつ磨いていきたい。

同時に自分が持っているものに感謝することが大事だなあ。
自分が持っている経験、能力。その全て。今まで、自分の中では評価できなかったけど、それは見方の問題。どうやって、「今持っているものを使っていこうか」そんなワクワクする見方を大事にしていきたいなあと。自分次第で、大きく変わることなのだから。

自分の持っているもの、に目が向けた時、「好きなことやできることを楽しんでいこう!」そんな前向きな気持ちが生まれた。
大学時代の後半になって、少しずつ興味のあることに手を伸ばして学んだ。また、人よりできない自分がいても、自分の目標と比較をするようにした。

とってもとっても小さな一歩だけど、羨んでくれてる人のためにも自分を持っているものを大事にしなきゃな、って思えた。
大事なことを気づかせてくれた大学生活に、心の底から感謝したい。

大学生になって、いろんな人に出会えたから、気づけていたことだと思う。いろんな才能を持つ、いろんな人のコトバを通して、わたしを見つめることができたのだと思う。

社会人になって旅立つ今、またいろんな人と出会い、もしかしたら人と比較をして落ち込む自分がいるかもしれない。でも、ライバルも比較対象も他者ではない。自分の心の中にあるということを忘れないでいたい。


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