主人公が消えた時、観客は自分のすべきことが分かっている…★劇評★【舞台】 Endless SHOCK(2017)
主人公が消えてしまうかもしれない、そんな中で踊り続けるミュージカル「Endless SHOCK」のシーンで、観客はもはや観客ではない。いや、物語の外側の世界にいる観客ではなく、主人公と同じ世界に存在している観客であり、そして一緒に踊っている共演者や舞台のスタッフと同じ思いで、その鬼気迫る様子を見つめているのだ。演劇においては観客もまた物語の「運命共同体」なのだということはゆるぎない真理のように言われてはいても、それを本当に感じさせてくれる作品にはなかなかお目にかからない。本当に消えてしまった時、その時は共演者らと同じように、自分がするべきことが分かっている、と観客は心の中で感じている。2017年も東京・帝国劇場で幕を開けたミュージカル「Endless SHOCK」はそんな臨場感が究極のレベルで息づいている作品であり、毎年の絶え間ないブラッシュアップによって、より研ぎ澄まされ続けている作品だ。堂本光一がその激烈な光を放つ魂を舞台の真ん中に置いたミュージカル「Endless SHOCK」は、どうやら永遠を目指して歩き始めたようだ。
ミュージカル「Endless SHOCK」は3月31日まで東京・丸の内の帝国劇場で上演される。9月には大阪市の梅田芸術劇場メインホールで、10月には福岡市の博多座で上演されるが、詳しい日程は未定。
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