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第2話

あの出来事は今でもハッキリ覚えている、今まで感じたどの恐怖よりも恐ろしくそして私の運命が決まった日でもあった。


『お祖母ちゃん……。』 

その年中学生になった孫娘が突然1人で私の元を訪ねて来た。

『サエちゃん久しぶりだね、どうしたんだい?』
『うん……。』

その表情は暗い、またお母さんと喧嘩でもしたんだろうと優しい笑みと共に迎え入れた。だが、落ち着いて話しを聞いてみるとそんな微笑ましいものでは無かった。

『ずっとね…。誰にも言えなかったんだけれど。……私、幽霊が視えるの』

あぁ……。
私はサエちゃんをそっと包み込む様に抱きしめた。

『そうかい、ずっと誰にも言えずに辛かったね、良く話してくれたね。』

サエちゃんはその言葉に、今まで溜めていた感情を一気に吐き出すかの様に泣きじゃくった。
暫くして落ち着いてきたのか少し恥ずかしそうにサエちゃんは私に問いかける。

『私の話し信じてくれるの??』
『もちろんだよ』
『どうして??』

私はここで話しておかなければならないと思い意を決した。
暖かいミルクをサエちゃんに出して向かい合いゆっくりと、昔話を始める。

『まず、……私も視えるんだよ、幽霊と言われるもの達がね』

!!!

そして、我ら一族は巫女の家系であり大昔は祓い屋としても活動していたという事、しかしここ何十年巫女の血が濃く出るものがおらず段々と薄れていく存在であった事。
最後の巫女の血が濃く出たのは私だけだった、だからサエちゃんの母であり私の娘であるあの子には何も詳しい事は話してこなかった。

だが、このタイミングでサエちゃんに巫女の血が出るなんて……。
本家に残る人達は既に血の薄い者ばかり、私の代で幕を閉じようとしていたのに。だが、サエちゃんには継がせるつもりはない、早急に対処しなければいけないであろう。

『お祖母ちゃん?』
『あぁ、すまない。今から話すのは私がサエちゃんと同い年だった頃の事だよ』

これが後に私やサエちゃんに付き纏い運命を決めた出来事。

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