第7話
頭が割れる様に痛い。
『全て思い出されましたか??』
マキの言葉に俺は気付けば涙を流していた。
あぁ……、全て思い出した。
俺は何て事をしてしまったんだ!しかも忘れていたなんて!
そう気付いた瞬間、赤ちゃんの泣き声がピタリと止まった。そうマイと俺の子だった。俺は何も知らず自分の子供まで殺してしまったのだ。
また場面が変わり、お店の中に居るようだ。
目の前には血塗れのマイと高橋が立っていた。
俺は床に崩れ落ち泣きながら謝っていた。
『……すまない、許してくれとは言えないが本当に俺は愚かだった。申し訳ない事をしてしまった、すまない………。』
ぐちゃぐちゃになった泣き顔で必死に土下座しながら謝った。
『もう手遅れだけどな』
『えっ?!』
聞き覚えのあるぶっきらぼうな声に顔を上げるとあの態度が悪い相談屋ヨウマがいた。
『手遅れって……?』
俺の側で立っていたマキが冷たい目をして俺を見つめる。
そしてまた優しい表情になりマイと高橋に話しかける。
『全ては終わりました、あなた方は何もする必要は御座いません。どうか安らかな道に戻って下さいませ。』
マキがそう言うと、二人は本来の姿に戻り優しい顔で消えて行った。
終わったのか??
悪夢が終わったとほっとした。だが…。
『終わってなどいませんよ、あなた様はこれから行くべき所に連れて行かれるのです。』
ゴォォォーとガラスに入った炎がまるで怒っているかの様に燃え上がる。
ゾクッと背筋が騒めき気配なく俺のすぐ側に黒い者が立っていた。そして俺を持ち上げ歩き出す。
『待ってくれ!何なんだコイツらは??止めろ!離せ!』
必死でもがくがびくともしない。
どこに連れて行くと言うのだ?あの2人も赤ちゃんも居なくなって全ては終わった筈なのに!!
これからは俺の人生やり直せるのに!!
あんな奴らのせいで人生終わってたまるか!
そんな俺の心の声をまるで聞こえていたみたいにマキが声をかけてきた。
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