牌譜添削⑥雀豪1さん

今回の牌譜主さんは雀豪1さん。雀聖への道しるべになることを目指して、今日も頑張っていきます!

●成績概観

主さんの成績

おーこれはかなり特徴的なスタッツで見ごたえがありそうです。
2,3位が多く、マツカヨ回避率高め。その裏付けとして低アガリ低放銃の低参加率型麻雀ですね。ラス回避ルールには悪くないスタイルだと思います。しかし!いくらなんでもアガリ率はこの低さでは厳しい。事実、ラス率も思うように下げられていない結果に悩んでいるのではないでしょうか。
ラス回避を意識するあまり、アガるべき手をアガれていない!そんな確信に近い仮説をもって、牌譜検証に進んでいきます!

●牌譜検証をして感じた課題

①攻めどころを見極める

やはり、攻めたい局面で攻め切れなかったケースがいくつかありました。守り主体のスタイルだったとしても、加点しなければ勝てないゲームであることは改めて認識すべきです。守り勝ちは存在せず、守りはチャンスを待つためにあるという意識でいきたいですね!

②孤立数牌の扱いが苦手

孤立数牌にくっつけて待ち受けを広くしたり、良形聴牌を作りに行くことをやや軽視しがちかなと思う打牌がいくつかありました。つながっている牌を残したくなる気持ちはわかりますが、孤立の強さの方が大きい局面を理解しておくと良いと思います。

➂ドラの扱いが苦手

ドラを大事にしすぎてアガりに近づけていないケースがいくつかありました。ドラはアガって初めて価値があり、アガれない場合はお荷物で危険牌です。使ってアガれる時には大事にしますが、切らなきゃアガれなさそうなときは、早めに切ることも時には必要です。

④ベタオリがやや雑

大きく分けて守り面で気になった点は3つあり、
・リーチがくると一件しか目に入らず、脇へのケアを忘れがち
・字牌や筋、カベ等を信用しすぎ、現物と同等かのごとく切るケースが散見
・シンプルな見落とし
ですね。守り中心のスタイルの主さんは、守りのミスは致命傷になります。一層注意を払うようにしたいです。スタッツからは予想外でしたが、守り面が一番気になったポイントでした。

●事例集

8/27 11:19の半荘東1局

上家の西をスルー

これは相当ポンしたいです。
供託3本と3本場で3600点も場に落ちているのが見えているでしょうか。加えて、形も両面2つと雀頭が残る形で結構先制聴牌できそうです。ここは攻め時という感覚を持てるようにしたいです。

8/27 11:19の半荘南1局

上家のリーチに白で回る

これは2mを中抜きでしっかりオリたいです。そもそもこの白は多少安全とはいえ現物ではないことに加え、ラス目からのリーチに対して自分はドラも赤もない愚形残りの形で浮いてる2sと7pが両方無筋。ほとんど押し返せる可能性はありません。これは完全ベタオリすべき局面という感覚を持ちたいです。
そう考えた場合、白は他家も攻めてきた時に貴重な逃げ牌になります。そういう意識で守っていきたいです。

8/27 11:19の半荘南2局

上家のリーチに白で回る Part2

これも現物の8mを抜いて丁寧にオリたいです。デジャブのようなコメントで恐縮ですが、白は現物ではないですし、浮いてる2s7pは無筋です。(浮いてる牌まで偶然一致で気持ち悪いですね笑) ラス目の親リーチに将来この手格好から押し返すことはほぼないと言っていいでしょう。8mを抜いて、下家の中筋6sを残します。他家が攻めて手詰まりしたら白白で耐える展開にしたいでね。
同じ局の続きです。

3pをツモ切るが…

これも筋を信用しすぎですね。そしてそもそも2sを下家が通して現物になっていることも見落としているでしょうか。
筋はあくまで「両面には当たらない」だけで愚形にはバリバリ当たります。ここはしっかり現物を抜きたいです。粘りたければ2s、しっかりオリるなら6sが良いでしょう。

8/27 11:19の半荘南2局2本場

打8sとしてトイトイ固定するが

これは攻守両面でドラの西をここで打ちたいです。
まず攻撃面としては、当然ドラ西の重なりを逃すことになりますが、それより69sでの聴牌を逃すことの方が大きいです。2着目とはいえリードの局面、ここは白のみでも上家の親を流す局消化に価値があるという感覚を持ちたいです。また、守りの面でもこの手でこれ以上西を手に持っていたくありません。下家のテンパイ気配がまだそこまでないここで切り飛ばしてしまいたいです。

8/27 00:30の半荘東2局

打5mとしたところ

ここはドラの9mを切りたいです。ドラの切り時と孤立数牌の扱いの2つの課題が両方見えた局面ですね。
ドラを残して高打点を見たい気持ちはわかりますが、数牌の価値として5mと9mのくっつきの価値があまりに違うことがわかりますでしょうか。この9mを残しても、使いきれる待ち受けは79mだけで、良形聴牌になる待受はありません(8mは全見え)。5mは3-7mで聴牌に加えて46mは良形です。この待ち受けの差が打点以上に大差という感覚を持ちたいです。

8/27 00:30の半荘南1局

打白ダマとしたところ

これはめちゃくちゃリーチです。
愚形ドラ1先制面前聴牌は基本リーチが大差で優位というのは覚えておきたいです。場況や点数状況等で例外的にダマで良い場合もあるにはありますが、この局面は自分はラス目、ピンズの場況も絶好でダマる理由はありません。これは「攻めるべき手なんだ」という感覚を持てるようにしましょう。(結果論ですが、一発ツモでしたね。。)

8/27 00:30の半荘南2局

対面のリーチに発を二枚連打

これは丁寧に上家の切った2pを合わせたいです。発は全方面に安全牌のため、他家が攻めてきた時のケアを怠らないようにしましょう。また、この局のベタオリはかなり不安の残るものでした。以降に2つ続けます。

打8p!?


打1m!?


いずれもワンチャンスを信用しすぎです。2pが現物であることを見落としたのか、わかっていて選択したのかは不明ですが、いずれにしても親リーチにさすがに不用意ですね。

8/26 21:32の半荘南1局

5mを切ってホンイツ一直線

ここは西を切って5mくっつきはまだ残したいです。ターツ不足のこの手、孤立数牌と1枚切れ字牌は待受があまりに大差です。攻守に優れた遠いホンイツに行っていいケースも多くありますが、この局面はドラドラあって打点十分、かつライバルのラス目親番。待ち受けを減らしてスピードを遅らせることは大きなマイナスです。ここは和了率を高めることが重要な攻め時という感覚が欲しいところです。

8/26 21:32の半荘南1局1本場

打1mとしたところ

これは好みの問題もありますが、私ならここでもう9mを打ってペンチャンを払います。前シーンと同じように、ライバルの親番でアガリの価値が高い状況。ドラ表示牌の7mが必要でしかも2度受けのこの手、かなりペンチャンをのこしたままではアガれない感覚は持ちたいです。

そしてこの局も続きがあり…

親リーチを受け 打2m!?

これはちょっと意図を汲み切れませんでした。クリミスなら良いのですが、意図を持って選んでいるとしたら考えすぎです。このシャンテン数では全く戦えないので、素直に現物を抜きましょう。

8/26 18:29の半荘東1局2本場

ダブリーを受けて打北

ここは1枚切れの南か、2枚打てる西としたいです。微差かもしれませんが、こういうところから守りの意識が粗いことがうかがえる事例です。七対子で押し返しを考えているのだとしたら無謀です。七対子は聴牌まで遠いですし、聴牌できてやっとめくり合いと思ったらこちらは単騎で待ちが不利な勝負をすることになります。またこの局も続きがあり…

安全牌かのように3sをツモ切り…

これも筋を信用しすぎですね。しっかり西を抜いていきたいです。

8/26 18:29の半荘東2局1本場

打7sとしたところ

これは8pを打ちたいです。孤立数牌はこれが一番良い事例でしょうか。
6788の形はいわゆる「亜両面」ではありますが、亜両面が活躍するのは「雀頭がない場合」です。これは9mが既に雀頭として存在するため、今回この形は678pメンツ+ただの8p孤立牌とほぼ同じと考えるようにしたいです。その場合、くっつき牌としての優秀さは大差で8p>7sであることはお判りいただけると思います。
これがただのうっかりミスだったら良いなと思ったのですが、次も続いて

打6mとするが

同じように8pを残して6mを切ってしまっていたので、おそらくこの6788pの形が、雀頭があれば亜両面としての価値がないということを頭の中で整理して理解しきれていないのだろうなぁと思いました。

●まとめ

攻守ともに、まだまだたくさん課題がありそうで今回はボリューム多めになりました。伸びしろたっぷりですね!
その他に細かい気になったポイントも結構ありましたが、勝敗に影響の大きそうな超重要ポイントに絞って添削しました。つまり書いたポイントはすべて必修科目だと思っていただければと思います。(強いて言えばドラの扱いは劣後でいいかもです)
こういういくつかの重要なポイントを押さえていただければ成績は劇的に上がるはずです。主さんの昇段報告が今から楽しみで仕方がありません!!

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