DAY1|メッシュワークゼミナールの記録(2023/09/16)

メッシュワークゼミナール第2期「人類学的な参与観察によって問いをアップデートするトレーニング」活動の記録。

【印象に残った話】

■人類学の対象となるもの
・基本的には人間の営みというか、人間社会
・モノでも出来事でも、対象と何かの“関係”を見ていく

■アプローチの方法をクリエイティブにする
・方法は一つではなく、沢山イメージできるようになることが大事
・とはいえ、普段人間関係をつくるときと変わらない

ー以下、水上さんの自己紹介からー
■問いの再構成
・細かな問いに分かれていったことを、もう1回抽象化して再構成していく
・何かを立証するためのフィールドワークは、人類学的なフィールドワークでは意味がない
・今回のゼミでやるデスクリサーチや仮説もう上手くいかなくてOK

■書く、記述すること
・今日書くのは、明日の自分のため
・いかに沢山拾っておくか
・モヤモヤはずっとあるし、書いて固定してしまうことが悪だと感じることはある
・ただ、自分がアウトプットするときの自制としてその感覚も役に立つ
・一応時系列で大まかに書き、重要そうだと思ったトピックに関しては細かく書く

(比嘉さん)
・フィールドノートの取り方は人類学者の中でもバラバラ
・フィールドワーク中書いている時間は長かった

■言語的な情報と観察
・インタビューは徐々にしなくなり、日常の会話で気になった所を記述するようになった
・アウトプットの段階では、観察で得た情報と言語的な情報は並列に扱う


ー以下、比嘉さんの自己紹介からー
■「できないこと」と人類学
・人類学者の活動では上手くいかないことがずっと張り付いている
・その中で何かが分かってくることがある
・分からなかったことや失敗は語られる機会が少ないが、実際には失敗はする

■なぜ時間と労力を割いてフィールドワークをするのか?
・文献調査では限界がある
・生活のディテール、背景・文脈、価値観・認識、関係性の構築のしかた、現場の変化・ダイナミクスを知れる

■テーマ、仮説からのズレ
・想定していたこととズレが生じる
・違うと感じたら、違うことを観察
・観察の対象を変えていく

■手法の失敗というよりも、コミュニケーションの失敗?
・コミュニケーション仕方のずれ/違いを考える
・目的合理性ではなく、コミュニケーション的合理性としての理解へ
・「彼らのやり方」を自分が“身体化”できなかった

■「上手くやっていく」とは異なる取り組み方
・「失敗」は状況と関係性においてしか定義されない
・リサーチ手法は、すべて関係性において決まってくる
・知らない状態でありながらも、注意深くあること
・本当に人間を分かろうとするとき、「上手くやっていく」とは異なる取り組み方が必要

■「気づく」とは何か?
・タイムラグがあることもある
・自分が、そのただなか(そっち側)にいることで気づけることがある

■「正解」はあるのか?
・正解がシロクロではなく、検討外れが減り、ちょっとずつシロに近づいていく感覚

■身体性とフィールドワーク/そこにいるから起きること
・モノを盗まれるのは、その場にいないと起きないこと
・オフィス空間でも、そこにいるから感じ取れることがある
・ただ、リモートでリサーチができないわけではなく、知れる情報の“質感”が変わる

■いつ解釈を決めるのか?
・一時的に解釈をしても、また解釈し直していく
・起こったことは同じでも、解釈は更新されていく
・大事なのは、常に戻れるように記述しておくこと
・アウトプット時の解釈も、いくつかのオプションの中から一つを選び出すイメージ

【DAY1を振り返って】
■具体/抽象 と 自己紹介について
・自己紹介はもともと苦手だったが、その原因が見つかった気がする
・皆さんの自己紹介を聞いて、自分のを振り返ると、自分の話には具体性が欠けていることに気づいた
・日常的にかなり抽象寄りの思考になりがち、かつ具体的なこと≒私的なことは「他の人は興味がないだろう」というためらいがあり、自然と省いてしまう(自己紹介なのに…)

・だけど、人の自己紹介を聞いていても、具体的なことこそ面白いし、背景や文脈が想像しやすくなる
・具体性のない自己紹介は、初対面の人には突っ込みようがなく、話は広がらない

・自己紹介を巡る反省ではあるが、それは具体性(私的/現場/想定外の現実/身体性なども同じように捉えられるかもしれない)へとより意識を向けて、観察し、言語化していくことでもあり、自分の今後の学びやフィールドワークにとっても課題になりそう
・インゴルドの言う「他者を真剣に受け取ること」へと近づいていけたらいい

<自分のフィールドについて>
⇒リモートワークならではの個人の日常の体験、身体性から探ってみたい


【DAY1の振り返りを振り返って】(2023/10/31)

後から振り返りやすいように、ゼミのDiscord上に投稿していた振り返りや、手元に残しているメモを順次noteにまとめていくことにした。

1カ月半を振り返って、ひとまずいまも脱落せずに続けられていてよかった。相応の覚悟(何の?)を持って応募したつもりではいたものの、参加する前は、自分でついて行けるだろうか…という不安もあった。

議論にちゃんとついて行けているのかはさておき、メッシュワークゼミナールの道のりには、楽しみながらついて行っている。最初の自分の自己紹介だけ残念な気分になったものの、その時間以降は初回のゼミからずっと楽しい。人とともに学ぶのって、めっちゃ楽しいですね。

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